スキルアップ

仕事ができる薬剤師はどんな人?習得すべき3つのスキルを熱く語る!

仕事ができる人の特徴といえば、

  • 段取りがよく
  • スピーディーに
  • 正確にこなせる

世間のイメージはこんな感じですよね。

じゃあ、“仕事ができる薬剤師”ってどんな人なのか?

というと、いろんな意見が出そうです。頼りになる先輩や優秀な後輩の特徴を持ち出して語る人もいれば、自らの経験をもとに熱弁を振るう人もいるでしょう。

みんな仕事ができる薬剤師を目指して頑張っているわけです。

今回は、作者が考える「仕事ができる薬剤師」について熱く語ります。自分の経験と周りで活躍している薬剤師の特徴から、習得すべき3つのスキルを客観的に解説しますね(^_^)

医師と薬剤師は視点が違う

医師と薬剤師は同じ医療者です。

しかし、異なる視点をもって仕事をしています。まずは、その違いを確認しておきますね。

医師は患者さんを見てアプローチ

「まずは患者さんを見る!」

医師は患者さんの身体症状から病気を診断していきます。問診や病状の観察によって想定される病気を割り出し、血液検査や画像診断などから病名を絞り込んでいくわけです。

診断力に優れているのがスゴイ医者です。患者さんをしっかり見て、病気のサインを見逃さずに、必要最小限の検査で診断します。

・患者さん😷→診断→薬物治療💊

まずは患者さんに注目!そして、検査・診断のあとに薬物療法を検討する流れです。

薬剤師はクスリを見てスタート

「処方箋に書いてある薬を見る!」

薬剤師はクスリから仕事が始まります。いきなり患者さんの体調を聞いて、薬学的ケアを始める人は普通いません。そもそもできないですよね。挨拶がわりに体調を尋ねることはありますが……。

そもそも、薬剤師は医師と視点が違います。薬剤師法1条を見ると明らかです。

第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

調剤、医薬品の供給によって、……国民の健康な生活を確保…すると定められています。もの(薬)をあつかうことがきちんと書かれているわけですね。

一方、医師法の第1条はどうか?

第一条 医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

医師は、医療及び保健指導を掌ることによって、……国民の…と書かれており、医薬品という言葉は見当たりません。(あまり、意識したことはなかったですが…)

医師と薬剤師は法的にも位置付けが異なります。薬剤師はクスリを見て薬学的知見から患者さんを見ていくスタイルです。

だから、処方箋の薬剤名から以下のように検討していきます。

  • 適応症(処方目的)は?
  • 投与量や投与方法は?
  • 相互作用で注意すべき併用薬は?
  • 確認すべき検査値は?
  • モニタリングすべきことは?
  • 注意すべき副作用は?

薬を見ることで次第に、患者さんに意識が向くでしょう。

  • 患者さんの病状は?
  • 患者さんの年齢、体重は?
  • 患者さんの服薬歴は?
  • 患者さんの肝機能、腎機能は?
  • 患者さんに聴き取るべきことは?
  • 患者さんに説明することは?

……というふうに、確認・説明事項が明らかになっていきます。

・薬💊→薬物動態、副作用→患者さん😷

薬剤師の仕事のアプローチは、医師とは逆なのです。その証拠に患者さんの名前や顔を思い出せなくても、処方内容を見るとパッと思い出せます。

  • ○○というくすりを飲んでいる人
  • 20種類くらい薬を飲んでいる人

…といった具合に。そんな経験ないでしょうか?おそらく、薬を通して患者さんを見ているからなんだと思います(^-^)

仕事ができる薬剤師に必要な3つのスキル

そもそも、何をもって仕事ができるというのか?

「仕事ができる」というのは、点数化することがむずかしいです。実際には、印象で決まるものだと思います。

一般的には、調剤業務を手際よく、スピーディーに正確にこなせる人が“仕事ができる薬剤師”というイメージでしょうか?

たしかにコレです。薬剤師に限ったことではなくて、社会人全般にいえることかも知れませんね。

でも、今回はそれに加えて、患者さんに安全な薬物療法を届けるという点に注目し、以下と定義します。

仕事ができる薬剤師とは

・処方の適正化により、患者さんに起こりうるリスクを回避できる人

仕事ができる薬剤師に必要なスキルは以下の3つです。

  1. 豊富なクスリの知識を備えている
  2. 薬物療法の危険を察知できる想像力がある
  3. 問題を解決できる力に優れている

1)豊富なクスリの知識を備えている


薬の知識不足は致命的!

薬剤師であるのに、処方箋に記載された薬剤がわからない……と、仕事が始められません (~_~;)

処方箋を見るたびに

「あれっ、このクスリは何の薬だっけ?この前も見たけど血圧の薬?作用はえーっと、ARBとカルシウム拮抗薬どっちだっけ??」

と、立ち止まって考えていたら、業務が進まず周囲に迷惑がかかります。患者さんを待たせてしまうのもダメですよね。

時間がかかるだけならまだしも、チェックすべき項目を見落とす可能性だってあります。

新人の頃は、知識識不足があっても、ある程度は許さるけど、いつまでたっても状況が変わらないのであれば、“仕事ができないという烙印”を押されてしまうでしょう。

コレだけは避けたいですよね。

幅広い薬の知識を身につけるべき

仕事ができる薬剤師には豊富な薬の知識が不可欠です。調剤業務をスピーディーに、確実に処方を適正化するために、幅広い知識が求められています。

では、どのくらいの種類をマスターしておくべきか?

“治療薬マニュアル”で2000種類くらいの成分が載っています。

もちろん薬の専門家なので、全部知っておきたいです。でも、物理的に無理があるし、滅多に使わないものまで覚えるのはしんどいですね。なので、最低でも日常業務でよくあつかう薬は覚えておくのが現実的だと思います。

一般的な病院の採用品目は1000種類くらいです。病院の規模、診療科数にもよりますが…。

病院だったら、採用薬は全部覚えるのが基本です。加えて入院患者さんの持ち込み薬もあるので、世に出回っている薬もある程度覚えておいたほうが良いですね。

調剤薬局なら近隣の医療機関が採用している薬はもちろん、遠方から処方箋が持ち込まれる場合もあるので、汎用薬も把握しておきたいです。

職場環境によってあつかう品目数は変わるものの、処方箋を見て一から調べなくてもいいように、広範囲にわたる薬の知識を身につけることが仕事ができる薬剤師になるための第一歩だといえます。

若いときに知識は増やしておこう

作者は入職してから半年くらい、家に帰ってから“今日の治療薬”を前から順に読んでいた気がします。採用薬を覚えるが目的でした。

あのときやっておいてよかったと思います。若いときの記憶は忘れずに残っていて、なぜかずっと覚えているからです。

年齢を重ねるごとに物覚えが悪くなるし、記憶が消えるスピードも早いので、新人の頃から毎日少しずつ知識を蓄えて欲しいと思います。

2)薬物療法の危険を察知できる想像力がある


薬を見て、危険を予測することができる!仕事ができる人、2つ目のスキルです。

処方箋どおりに調剤するだけが薬剤師の仕事ではありません。棚から薬を集める前に、薬物療法に潜むリスクが何なのか、評価することが大切です。

処方箋を眺めて

「あっ、この薬は代表的な腎排泄型薬剤。腎機能は大丈夫かな?」

「たしか…相互作用にも注意が必要だったような……禁忌薬のチェックもしなきゃ…」

「出血時の対応も説明しておこう」

と、適正使用にかかるチェックポイントが頭に入っていて、順番に検討していく作業です。

また、DOACを見たら

  • 適応症は心房細動、DVT(VTE)どっち?
  • 投与量と投与期間は?過量投与になってない?
  • 腎機能はeGFRがちゃんと基準値を超えてる?
  • CYPやP糖蛋白による相互作用は問題ないの?

NSAIDsがあれば

  • 胃潰瘍のリスクは?
  • アスピリン喘息は大丈夫?
  • CKDじゃ無いの?

と、処方箋を見て薬剤ごとに、漏れなく危険を察知できるか、あるいはリスクを想像できるかが、仕事ができる薬剤師かどうかの分かれ目だと思うのです。

車の運転とよく似ています。

  • 横断歩道があれば、歩行者がいないのか?
  • 曲がり角では、ボールを追いかけて子供が飛び出してこないか?
  • 左折の時には、バイクや歩行者を巻き込んだりしないか?
  • バスが停留所に止まってる。降客が道路を横断しようと急に出てこないか?

…など、常に危険を予測しながら運転してますよね。

事故を起こすのは不注意もあるけど、危険予測能力の不足が大きいと思います。薬剤師の仕事も同じですよね。

調剤の前に、薬を見てとっさに危険を察知できる仕事ができる薬剤師に必要なスキルだと思います。

3)問題を解決できる能力に優れている


複数の選択肢から、最良の提案ができる!仕事ができる薬剤師、3つ目のスキルです。

問題解決の方法は複数ある!

危険を察知して、問題点が浮かび上がったら、あとは解決するだけ。ただ、これがむずかしい。解決するための方法は一つとは限らないからです。

たとえば、NSAIDsを処方された人が過去に胃潰瘍の既往があった場合を考えて見ましょう。

  1. NSAIDsを中止する
  2. NSAIDs+PPIを提案する
  3. NSAIDs+ミソプロロール(PGE)を提案する
  4. NSAIDsをアセトアミノフェンへ変更する

対応はざっと考えて4通り。ほかにもいくつかありますよね。

では、この中からどれを医師に処方提案するのか?というふうに、選択肢は複数あるのが普通です。

複数の選択肢から最良の提案を!

目の前の患者さんにとって、一番いい選択肢はどれなのか?を薬学的に考えて提案できる人が仕事ができる薬剤師だと思います

痛みの強さを評価することはもちろん、PPI やPGEを併用する場合にはそれに伴う副作用やデメリット、コストとかも考慮しないといけません。安全性が高いアセトアミノフェンに変えて痛みが取れないのでは意味もないですからね。

だから、投与量も考えないとダメだし、剤型だって大事。粉薬が苦手、大きいカプセルが飲めないとか色々出てきます。

目の前の患者さんを見て、最適な提案を根拠を示して医師に提示できるスキル!むずかしいけど、薬剤師の仕事を患者さんに届けるためには是非身につけておきたいものです。

避けたいのは、NSAIDsが禁忌であると伝えて、どうしますか?と医師に委ねること。ダメとは言い切れないけど、代案を示さないのはやや無責任な気がする……。

最終的には患者さんを見る!

複数の選択肢から最良の提案をする!これは患者さんを見ないとわからないです。

薬剤師はクスリを見るところから始まるけど、最後には患者さんを見る!クスリと添付文書だけを見て仕事をしているわけではないのですね。

・薬💊→患者さん😷、この流れが大事!

まとめ

ポイントは以下のとおりです。

仕事ができる薬剤師に必要な3つのスキルは?

  1. 薬剤師はクスリが出発点
    →だから、豊富な薬の知識が不可欠。若い時から知識を蓄える努力が欠かせない。
  2. 処方箋を見て危険を察知!!
    →薬物療法における問題点を漏れなく着実に抽出できる。安全な薬物療法に必要!
  3. 複数の選択肢から最良の提案ができる!
    →「目の前の患者さん」にとって、どれが一番いいのかを考えて、根拠を示して医師の提示できる薬剤師を目指したい

今回は、仕事ができる薬剤師に必要なスキルについて考察しました。

近い将来、AI(人工知能)が導入されたら薬剤師がいらなくなるという声も聞こえてきます。だけど、目の前の患者さん”のことを考えて、最適な薬学的ケアを実施できる薬剤師であれば………。大丈夫なはず!そう思ってます(^-^)

できる薬剤師を目指すなら!

医療サイトm3.comがオススメ!

「薬剤師は一生勉強です」わかってるけど、毎日忙しいし、やる気も出ない……。でも、そんなことでは、次々に登場する新薬や最新のエビデンスについていけません!あっという間に取り残されて、待っているのは「できない薬剤師」の烙印……。それだけは避けたいですよね。

m3.comは薬剤師のための医療サイトです。日常のスキマを利用して最新情報を入手できます。

日々の積み重ねが「できる薬剤師」への第一歩です。勉強は大変だけど頑張った分だけ必ず自分に返ってきます(^ ^)

\できる薬剤師になるために必須!/

m3.comに登録する
もちろん登録は無料です。貯まったポイントで参考書を購入すれば、成長スピードもUPします!今すぐスタートしましょう♪