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疑義照会の時に「そのままで」と医師に言われないための方法【新人薬剤師向け】

疑義照会の時に、「そのままで」と医師に言われる!

薬剤師あるあるの1つですよね。

私も新人の頃はよく経験しました。数は減ったけど今でも普通にあります。言われた後は、凹みますし、なんか投げやりな気持ちになりますよね。

どうして、「そのままで」と言われるのか?

ある日、ふと考えたんです。

ここだけの話、いつも先生の傲慢さが理由と片付けてきたけど、実は薬剤師側にも問題があるのではないか?って。

すると、医師の心境が見えてきました。

さらに、解決法まで!

今回は、疑義照会の時に「そのままで」と医師に言われない方法について、共有したいと思います。特に新人薬剤師さんのお役に立てたら嬉しいです。

ただ、あくまで個人的な考察なので、参考程度に読んでいただけたらと思います。

それでは見ていきましょう。

「そのままで」と言われる理由

疑義照会で「そのままで」と医師に言われるのはなぜか?

おそらく、薬剤師が【処方の必要性を軽視していると思われているから】です。逆にいうと、安全性ばかりを主張してくる印象が強いのが原因だと思います。

たしかに、私は心当たりがありますね…(^^;)

でもなぜ、処方の必要性を軽視すると「そのままで」と言われるのか?順に説明します。

そもそも、疑義照会を行うのはなぜ?

もちろん、安全な薬物療法のためですよね。薬効重複や相互作用、投与量等のチェックにより処方の適正化に努めています。ご承知のように薬剤師は安全性を重視する職業なのです。

一方で、医師の仕事は病気の診断や治療ですね。①有効性と②安全性を考えて処方を行います。両方のバランスが取れていたら特に問題になりません。

ところが、①必要性>②安全性のケースがしばしばあります。治療に難渋する時ですね。実際に添付文書をあえて逸脱することは稀ではありません。

疑義照会は、まさにそういう時。つまり、必要性を重視する医師と安全性を重視する薬剤師の意見が対立する場面なのです。

疑義照会の結果は2パターンある!

  1. 処方変更(薬剤師の意見が通る)…必要性<安全性
  2. そのままで(医師の意見が通る)…必要性>安全性

上記の通りです。

薬剤師の意見が通るときは、安全性の考慮により処方変更がなされます。主に医師の処方ミスや思い違いを是正する場面です。ときどき感謝の言葉をいただくこともあります。疑義照会をやってよかったと思える瞬間ですね。

一方で、②「そのままで」と言われるのは、必要性が安全性を上回るとき。医師があえて処方している場合です。そのことに気づかずに、安全性のことを頑張って説いても、報われません。そんなことは分かりきった話だからです

薬剤師は安全性を重視し過ぎ!?

もちろん、薬剤師が安全性を重視するのは間違っていません。安全な薬物療法をサポートする役割があるからです。ここに異論はありませんよね。

でも、必要性を優先する場面でも同様の対応でいいのか?

というと、私はそうは思いません。

そのままで!なんて2度と言われたくないのが正直な気持ちですね^_^

では、どうすればいいのか?

「そのままで」と言われないための方法

答えは「そのままで良いか」薬剤師の方から医師に尋ねることです。

何言ってるの?って思った人、安心してください。これで、大丈夫です。医師に「そのままで」と切り捨てられることはなくなります。

なぜなら、そのままで良いか尋ねることは、処方の必要性を考えることに他ならないからです。きっと、疑義照会が得意な人は、もうすでにやっていると思います。

どういうことか、2つの例で比べて見ましょう。

①医師に「そのままで」と言われるケース

(投与量が多い場合を考えてみます)

新人薬剤師

添付文書では投与量の目安が◯◯になります。□□のリスクを考えて減量した方が良いのではないでしょうか

医師

大丈夫、そのままで!

いつものやつですね^ ^

続いて2つ目のケースを見てみましょう。

②医師に「そのままで」と言われないケース

新人薬剤師

添付文書では投与量の目安は◯◯になります

(ここまでは一緒、ここからがポイント!)

新人薬剤師

でも、△△さんの場合は症状が強く、□□という薬で効果が不十分だったから、あえて増量されているんですよね。そのまま(の投与量)でよいですか?

(こんな感じで、必要性に対して理解を示す、そうすると)

医師

そうなんだよ。本当は通常量を超えているのはわかってるんだけど、今回はあえて増量しているんです。

(って言われるはず…^_^  そうなれば、こう続きます)

新人薬剤師

わかりました。では、□□の副作用をモニタリングしていきますね

医師

よろしく、これでうまくいかなかったら、次の方法を考えましょう。何かいい方法があればまた教えてくださいね

(理想ですが、こんなふうに会話が続くはずです^_^ )

2つのケースの違いは?

薬剤師が処方の必要性を理解してるか否かですね。

  1. 安全性を強調する→そのままでと言われる
  2. 必要性にも理解を示す→話を聞いてくれる

①の方は図らずとも医師の処方を否定している印象を与えます。自分の処方(考え方)に真っ向から疑義を唱えてこられたら、「そのままで」と言って耳を閉ざしたくなるのが当然の心理です。怒られないだけマシかも知れません…。

一方で②の方は、医師も薬剤師の話に耳を傾けてくれます。投与量の多さに懸念があることを伝えながらも医師の処方に理解を示しているからです。対立の図式にはならないわけですね。

「そのままで良いですか」の発動条件は?

もちろん、口先だけで「そのままで良いですか」とは言えません。薬剤師が処方の必要性を検討し、納得できて初めて出てくる言葉だからです。

目の前の患者さんにとって処方の必要性が高いと判断した場合に限り、そのままで良いですかと聞くことができます

逆に、危険性の方が高いと判断したら、「そのままで」と言われても①安全性>必要性を全面に押し出す形の疑義照会を行うべきです。これは対立する場面ですね。

処方の必要性はどう判断するの?

「患者さんを見る!」

ですよね。ここも大事なポイント。安全性もそうですが、必要性の評価は患者さんの症状や治療の経緯などの情報が不可欠です。ここは処方意図を考える時と同じだ思います。ある意味、薬剤師の得意とするところではないでしょうか。

まあ、考えてもわからない時もありますが…。その時は、疑義照会で医師に聞いてみるのもありかも知れません。

このように、「そのままで」と言われないためには、なぜ医師が添付文書を逸脱した処方を出してるのかを考えることが大切です。

『①単なるミスなのか、それとも②考えがあってものなのか

必要性があると判断できたら、確認のための疑義照会を行い、「そのままで良いか」を尋ねるときっと上手くいきます。

「そのままで」と言われない薬剤師になろう!

ここは、特に新人薬剤師さんに伝えたい部分です。

結局のところ、「そのままで」と言われても言われなくても、処方自体は変わりません。残念ながらそのままなんです。

でも、「そのままで」と言われない薬剤師を目指して欲しいと思います。なぜなら、仕事をしていく上でプラスの影響を与えてくれると思うからです。

理由は大きく3つあります。

  1. 医師と協働関係を築ける
  2. 処方解析能力が高まる
  3. 服薬後のフォローが充実する

「そのままで」と言われない薬剤師の未来は明るい!

①疑義照会を重ねるごとに医師からの信頼度が上がり、協働関係へと発展していきます。チーム医療における理想のかたちですね。

また、②処方解析能力が高まります。処方の必要性を考えるのは、病態や症状に合わせた薬の使い方を学ぶトレーニングに他ならないからです。日々の積み重ねが大きな力になるでしょう。

さらに③服薬後のフォローが充実します。先ほどの例に示したように、疑義照会を起点に、薬効の評価や副作用のモニタリング等を任されるからです。

とにかく薬剤師の活躍の場が広がり、成長スピードも加速すること、間違いありません!

一方で、

「そのままで」と言われる薬剤師の未来は暗い…

残念ながら、①医師との信頼関係を築けません。それどころかお互い不信感が募ります。

新人薬剤師

副作用がでたらどうするの?理由の説明もなし、薬剤師をなんだと思ってるの!

医師

俺の処方に口出しするなんて100年早いよ!必要だから処方してるのになぜわからないの?

たぶんこんな感じですかね(^_^)

これだと、溝が深まるばかり。「医師が上、薬剤師が下」の対立軸のままで、主従関係から脱却できません

また、疑義照会はなかなか上達しません。②処方意図を読み取れずに失敗する確率が高いからです。そのままでと言われるストレスから、やる気も出ないし、上手くいかないので、やりがいも感じられず、苦手意識はいつまで経っても消えません。

もちろん、③疑義照会を契機に、服薬後のフォロー等、薬学的なアプローチにもなかなか至りません。そのままでと言われたら、モチベーションも下がるし、先生の好きにすればって気持ちにもなるからです。前向きな関わりから遠のいていく感じですね。

「そのままで」を経験した人ならわかると思いますが、言われるたびに、仕事のやりがいは失われ、自分の無力さに嫌気がさし、薬剤師の未来に陰りが見えます。私も新人の頃、日々感じていました…。

  • 「そのままで」と言われる薬剤師
  • 「そのままで」と言われない薬剤師

結局のところ処方は変わらないけど、薬剤師の職能を考えると大きな違いを生みます。どうせなら、明るい未来が待っている方を目指した方が絶対いいですよね。

まとめ

今回は、疑義照会の時に「そのままで」と医師に言われない方法について考察しました。

本記事のポイントを一言で表すなら下記です。

『薬剤師は処方の必要性も考えた方が良い!

安全性は大事だけど、必要性も同じくらい大切なんです。後輩が疑義照会で失敗した話を聞きながら、今回の記事を書こうと思いました。

これは、何も疑義照会にだけいえることではないと思います。

服薬指導にも当てはまることです。

安全性ばかりに偏った説明だと、患者さんは副作用を恐れて飲んでくれなくなります。これだけは避けたいですね。医師からもメチャクチャ怒られそう。

かといって、安全性を軽く考えていいわけでもありません。安全な薬物療法の要は誰なんだという話になります。薬剤師免許が泣いてしまう…。

結局はバランス感覚が大事ですね。

「処方の必要性と安全性のバランスを!」

状況に合わせて上手くとれるスキルが薬剤師に必要だと、記事を書きながら思いました。これがなかなか難しいんですけどね♪

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