糖尿病薬

SGLT2阻害薬の比較【違いは何か?6成分7種類を徹底調査!】

今回のテーマはSGLT2阻害薬の比較について!

2014年4月から2015年5月にかけて、次々に発売されました。

国内で使用できるSGLT2阻害薬は6成分7種類です。

  1. イプラグリフロジン(スーグラ)
  2. トホグリフロジン(デベルザ、アプルウェイ)
  3. ルセオグリフロジン(ルセフィ)
  4. ダパグリフロジン(フォシーガ)
  5. カナグリフロジン(カナグル)
  6. エンパグリフロジン(ジャディアンス)

SGLT2阻害薬は血糖降下作用だけでなく、心血管イベントや心不全による入院を減らしたり、腎保護作用も認められる、今話題の薬です。

たくさん種類があるけど、一体何が違うのか?

押さえておきたいポイントを解説します。

SGLT2阻害薬とは?

そもそもSGLT2阻害薬の特徴は何か?

  • 作用機序は?
  • 効果は?
  • 臨床の位置付けは?
  • 注意すべき副作用は?

基本的知識は下記に詳しくまとめています。6成分7種類を比較する前に読んでおくと、知識が整理しやすいので、ぜひご覧くださいね。

SGLT2阻害薬の特徴【効果と副作用をわかりやすく解説!】今回のテーマはSGLT2阻害薬! 糖尿病治療薬です。最近では1型糖尿病の適応が追加されたり、新しいエビデンスが示されたりと、話題が...

それでは本題に入ります。

SGLT2阻害薬の比較

ポイントは大きく8つあります。

  1. 適応
  2. エビデンス
  3. 用法用量
  4. 選択性
  5. 代謝
  6. 配合剤
  7. 半減期
  8. コスト

順番に見ていきますね。

適応の違い

まずは適応の違いから。

「1型糖尿病の適応があるか」

SGLT2阻害薬は2型糖尿病の治療薬として登場しました。しかし、後から1型糖尿病に適応が追加された製剤があります。現時点で2つの薬剤です。

  • スーグラ‥2018年12月承認
  • フォシーガ…2019年3月承認

もちろんインスリンと併用が条件です。単独使用の場合、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)を引き起こすからですね。

では、どのような場合にSGLT2阻害薬を選択するのか?大きく3つのケースが考えられます。

  • 低血糖のリスクからインスリン量を増やせない場合
  • インスリン単独では、血糖コントロールが難しいとき
  • 体重減少効果を期待したい場合

SGLT2阻害薬はインスリン非依存的に効くのが特徴です。インスリンが枯渇した1型糖尿病患者さんでも効果が期待できます。低血糖のリスクが低く、併用により血糖値が安定すればインスリン量を減らせるし、体重減少効果があるのもメリットですね。

従来、1型糖尿病の経口薬はαグルコシダーセ阻害薬(α-GI)のみでした。SGLT2阻害薬の適応追加により、α-GIでは効果不十分であったり、消化器症状などの副作用が問題になる場合にも、有用な選択肢になります。

1型糖尿病は低血糖とDKAに注意!

SGLT2阻害薬を併用する場合、インスリン量の調節が欠かせません。単位数を減らさないと効きすぎによる低血糖、単位数を減らしすぎるとDKAを発症しやすくなるからです。絶妙なバランスが求められます。

低血糖を防ぐための減量基準(インスリン単位数)は下記です。

  • スーグラ…1日量を15%減
  • フォシーガ…1日量を20%以内減

また、DKA対策は下記のとおりです。

特に、1型糖尿病患者、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと

スーグラ添付文書より

また、DKAの自覚症状(多飲、多尿、悪心、口渇、腹痛、呼吸困難、意識障害など)や、シックデイ時の対処法(休薬)についても説明が必要です。

スーグラとフォシーガは1型糖尿病と2型糖尿病、どちらにも使用できます。ただし、1型の方が低血糖やDKAのリスクが高めです。インスリン単位数の調節や副作用モニタリングの強化が必要な点は押さえておきましょう。

エビデンスの違い

SGLT2阻害薬は、海外の大規模臨床試験で心血管イベントの抑制や心臓・腎保護作用などが示されました。

米国の糖尿病学会2020年診療ガイドラインでは心血管疾患や心不全、CKDがあるまたはハイリスクの人にはメトホルミンに続き、第二選択薬として推奨されています。

エビデンスの有無により大きく2つのグループに分かれます。

エビデンスあり
  • フォシーガ
  • カナグル
  • ジャディアンス
エビデンスなし
  • スーグラ
  • デベルザ
  • アプルウェイ
  • ルセフィ

ジャディアンスやカナグル、フォシーガなどは、世界中で広く使われています。押さえておきたい大規模臨床試験の結果は下記です(※主要評価項目のみ記載)

ジャディアンス

EMPA-REG OUTCOME試験
  • 心血管疾患の既往がある2型糖尿病患者
  • MACEをプラセボに比べて14%抑制※HR0.86(0.74-0.99)

※ MACE (心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)

カナグル

CANVAS program試験
  • 心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患者
  • MACEをプラセボに比べて14%抑制※ HR0.86(0.74-0.99)
CREDENCE試験
  • アルブミン尿を有する慢性腎臓病を伴う2型糖尿病患者
  • 末期腎不全・血清クレアチニン値の倍化・腎臓死・心血管死の複合イベントリスクをプラセボに比べて30%減少※HR0.70(0.59-0.82)

フォシーガ

DECLARE-TIMI58試験
  • 心血管疾患のリスクが高い2型糖尿病患者
  • 心血管死、心不全による入院リスクをプラセボに比べて17%抑制※HR0.83(0.73-0.95)
DAPA-HF試験
  • 左室駆出率低下を伴う心不全患者(HFrEF)
  • 心血管死、心不全悪化をプラセボに比べて26%抑制※HR0.74(0.65-0.85)

SGLT2阻害薬は適応拡大に向けた動きがあります。

  • フォシーガ
    ・慢性心不全…DETERMINE試験(HFrEFとHFpEF対象)
    ・慢性心不全…DELIVER試験(HFpEF対象)
    ・慢性腎臓病…DAPA-CKD試験
  • カナグル
    ・糖尿病性腎症
  • ジャディアンス
    ・慢性心不全…EMPEROR-HF Reduced試験(HFrEF対象)
    ・慢性心不全…EMPEROR-HF Preserved試験(HFpEF対象)
    ・慢性腎臓病…EMPA-KIDNEY試験

SGLT2阻害薬は糖尿病の枠を超えて、「心不全」や「腎臓病」で使われる日はそう遠くはないかも知れません。これからも、新しいエビデンスから目が離せないですね。

用法用量の違い

用法と用量で、それぞれ押さえておきたいポイントがあります。下記の2点です。

  1. 服用のタイミング
  2. 増量の可否

まずは①服用のタイミングから

下記のように2つに分かれます。

朝食前または朝食後投与
  • スーグラ
  • デベルザ
  • アプルウェイ
  • ルセフィ
  • カナグル
  • ジャディアンス
1日1回いつでもOK
  • フォシーガ

いずれも1日1回です。ここは共通点ですね。

SGLT2阻害薬は、AUCが食事の影響を受けないので食前でも食後でも構いません。食前のSU剤と併用なら朝食前にまとめることも可能です。

違いは下記の点。

「朝限定なのか、それとも昼や夕でも良いのか?」

スーグラやカナグルなどは基本的に「昼」や「夕」に飲むことができません。臨床試験で朝食前または朝食後で有効性と安全性が確認されているからです。朝投与と夕投与を比較したデータはありません。

一方で、フォシーガは1日1回投与ならいつでもOK。朝投与と夕投与を比較した海外臨床試験で有効性と安全性が認められているからです。夜間頻尿はプラセボに比べて、わずかに頻度が高かったものの、ほとんど軽度でした(10mgで1例中等度)。

フォシーガは服用時点において添付文書上の縛りがないので、患者さんのライフスタイルに合わせて投与できます。ここが他のSGLT2阻害薬と異なる点です。といっても、朝以外の用法を選択するケースは少なそうですけどね(^_^;)

次に②増量の可否について

増量できるか、固定用量かの違いがあります。

増量できる
  • スーグラ
  • ルセフィ
  • フォシーガ
  • ジャディアンス
増量できない
  • デベルザ
  • アプルウェイ
  • カナグル

カナグルは100mgと200mgで有効性と安全性が大きく変わらず、至適用量は1日1回100mgで承認されました。デベルザ(アプルウェイ)も同様の理由で、1規格のみの承認です。1回量が固定なので、投与方法はわかりやすいですね。

一方で、フォシーガは、5mgと10mgで有効性に差が認められました。効果不十分の場合は増量により、効果の増強が期待できます。スーグラ、ルセフィ、ジャディアンスも同様の理由で、増量可の設定です。効果や副作用等に合わせて用量調節できるのがメリットですね。

選択性の違い

SGLT2とSGLT1の選択性に違いがあります。

ヒトSGLT2
IC50[nM]
ヒトSGLT1
IC50[nM]
SGLT2
選択性
カナグリフロジン 4.4 683 155
イプラグリフロジン 7.38 1876 254
ダパグリフロジン 1.12 1391 1242
ルセオグリフロジン 2.26 3990 1770
エンパグリフロジン 3.1 8300 2680
トホグリフロジン 2.9 8444 2912
フロリジン 34.6 210 6

参考文献)Diabetes 62: 3324-8

「SGLT2選択性の数字」が大きいほど選択性が高いことを表します。カナグリフロジンで約150倍、トホグリフロジンで約2900倍とかなりの差ですね。

以下のように高選択性と低選択性に分類できます。

高選択性
  • デベルザ
  • アプルウェイ
  • ルセフィ
  • フォシーガ
  • ジャディアンス
低選択性
  • スーグラ
  • カナグル

選択性の程度によって何が違うのか?調べてみましたが、臨床で使い分けがされるくらいの大きな違いはないと考えられます。“SGLT2選択的”阻害薬である点は変わらないので、一括りの理解でOKです。

ただ、薬理学的に押さえておきたいポイントはあります。下記2点です。

  1. 高選択性は副作用が少ない!?
  2. 低選択性は食後の血糖値を改善する!?

①高選択性は副作用が少ない!?

SGLT2≫SGLT1の薬剤は副作用が少ないといわれています。なぜなら、SGLT1は消化管(主に)や心臓や肺、腎臓(一部)に存在し、阻害作用により何らかの影響を与える可能性があるからです。

たとえば、消化管に発現するSGLT1(Naとグルコース/ガラクトース共輸送体)が阻害されると、糖質の吸収が妨げられ、下痢を引き起こします。SGLT1欠損患者が下痢、脱水を伴う高度の糖吸収不全を起こすのはよく知られた事実です。

SGLT2阻害薬は安全性を高めるために開発された!

SGLT2阻害薬のリード化合物はフロリジンです。りんごの樹皮から分離され、腎性糖尿を引き起こす成分として知られていました。その後、尿細管のSGLT1とSGLT2を非選択的に阻害し、糖の再吸収を妨げることがわかり、臨床応用の試みが始まります。

しかし、バイオアベイラビリティ(BA)が低く、糖の吸収障害を起こすことなどを理由に、開発が断念されました。

そこで、副作用を軽減しBAを高めた製剤として、フロリジンに代わり開発されたのがSGLT2選択的阻害薬というわけです。

デベルザ(アプルウェイ)、ルセフィ、フォシーガ、ジャディアンスなどの高選択性SGLT2阻害薬は、消化管に存在するSGLT1への影響が少なく安全性に優れた製剤だといえます。

低選択性は消化吸収障害を引き起こすのか?

たとえばカナグルの場合、SGLT2に100倍以上の選択性があるので、大きな影響はないと考えられています。

本薬のヒトSGLT2に対するIC50値は4.2nmol/L、SGLT1に対するIC50値は663nmol/Lであり、類薬と比較してSGLT1に対するSGLT2選択性が低いことが報告されているものの 、臨床推奨用量である本剤100mg投与時の血漿中非結合型本薬未変化体濃度のCmaxは 19.31ng/mL(43.4 nmol/L)であり、ヒトSGLT1に対する本薬のIC50値663nmol/L (294.7ng/mL)を下回る

カナグル 審議結果報告書

臨床用量ではSGLT1に影響を与えるほど十分な濃度に到達しないという判断ですね。

実際に、国内プラセボ対照比較試験において安全性が確認されています。消化器症状の有害事象、発現頻度は下記でした。

  • プラセボ群:8.9%(15/168例)
  • 100mg群:9.8%(16/164例)
  • 200mg群:12.7%(21/166例)

200mg群でプラセボよりも高い結果。しかし、下痢の頻度は100mg群で 1例(0.6 %)、200mg群で2例(1.2%)に認められたが、いずれも軽度でした。

カナグル 審議結果報告書を参照

②低選択性は食後の血糖値を改善する!?

一方で、低選択性の方は、食後の血糖を下げる効果が期待されます。SGLT1阻害作用により消化管における糖の吸収を妨げる可能性があるからです。

海外の試験でカナグリフロジンの投与により、食後過血糖の低下が報告されています。

経口投与のあと、消化管の吸収過程で局所的に高濃度になったカナグリフロジンがSGLT1を阻害するのが理由とのこと。ただし、食前に海外用量である300mgを投与した結果であるため、国内の用量(100mg)で同様の効果が認められるのかはわかりません。(DiabetesCare,36,2154-2161.)

スーグラやカナグルなど低選択性のSGLT2阻害薬は、食後高血糖を改善する可能性が示唆されています。α-GIとよく似た作用が得られるというのは興味深いですね。

代謝の違い

SGLT2阻害薬は代謝の違いにより、大きく2つに分かれます。

CYP
  • デベルザ
  • アプルウェイ
  • ルセフィ
グルクロン酸抱合
  • スーグラ
  • フォシーガ
  • カナグル
  • ジャディアンス

※デベルザ(CYP2C18、CYP4A11、CYP4F3B)
※アプルウェイ、ルセフィ(CYP3A4/5、4A11、4F2、4F3B)

相互作用で押さえておきたいのは、下記2点です。

①SGLT2阻害薬に共通する相互作用は?
  • 血糖降下作用↑
    …糖尿病用薬(SU、グリニド、α-GI、BG、TZD、DPP-4i、GLP-1アナログ、インスリン等)と併用
  • 血糖降下作用↑
    …β-遮断剤、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤等と併用
  • 血糖降下作用↓
    …アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等と併用
  • 利尿作用増強
    …ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬等と併用

血糖コントロールに影響を与える薬との併用はもちろんですが、特に気をつけたいのが利尿剤との併用です。脱水症状を招いたり腎機能の低下につながる可能性があります。SGLT2阻害薬の利尿剤という一面、意外と忘れがちなので気をつけたいですね。

②製剤ごとに特徴的な相互作用は?
  • デベルザ
    …プロベネシドと併用→デベルザのAUCとCmax↑(機序不明)
  • カナグル
    …ジゴキシンと併用→ジゴキシンのAUCとCmax↑(P糖タンパク阻害)
  • カナグル…リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール、リトナビル等→カナグルのAUCとCmax↓(UGT1A9及びUGT2B4誘導)

デベルザ(アプルウェイ)はCYPの代謝を受けますが、CYPを介した併用禁忌・注意薬はありません。in vitroで各種酵素の阻害誘導作用を示さなかったからです。現時点で過度なCYP相互作用への心配は必要ないかと思います

トホグリフロジンは、in vitroにおいて、CYP1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6及び3A4/5を阻害せず(IC50>50μmol/L)、CYP1A2、2B6及び3A4を誘導しなかった

デベルザ添付文書より

対して、ルセフィはやや気になる点があります。CYP2C19に弱い阻害作用、CYP3A4に弱い誘導作用を示す点です。添付文書上、CYPに関する相互作用の記載はないものの、遺伝子多型の影響を受けたり、併用薬によっては血中濃度に影響を与える可能性があります

ルセオグリフロジンはCYP2C19に対して弱い阻害作用(IC50値:58.3μmol/L)を示したが、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2D6、2E1及び3A4に対する阻害作用は示さなかった(IC50>100μmol/L)(in vitro)。ルセオグリフロジンはCYP1A2及び2B6を誘導せず、CYP3A4に対し弱い誘導作用を示した

ルセフィ添付文書より

配合剤の有無

SGLT2阻害薬には配合剤があります。※2020年8月時点

配合剤あり
  • スーグラ
  • カナグル
  • ジャディアンス
配合剤なし
  • デベルザ
  • アプルウェイ
  • ルセフィ
  • フォシーガ

配合剤とその組み合わせは下記のとおりです。

  • スージャヌ配合錠
    …スーグラ50mg/ジャヌビア50mg
  • カナリア配合錠
    …カナグル100mg/テネリア20mg
  • トラディアンスAP配合錠
    …ジャディアンス10mg/トラゼンタ5mg
  • トラディアンスBP配合錠
    …エンパグリフロジン25mg/トラゼンタ5mg

いずれも、SGLT阻害薬とDPP-4阻害薬の組み合わせです。どちらも単独では低血糖を起こしにくく、以下のように作用点が重ならないため、相補的な効果が期待できます。

  • SGLT2阻害薬…インスリン非依存的に糖の再吸収を妨げる
  • DPP-4阻害薬…血糖依存的にインスリン分泌を高める

もちろん、服薬アドヒアランスがよくなったり、コストを減らすことも可能です。糖尿病の患者さんは、複数の基礎疾患もあって服薬数が多い印象があり、配合剤のメリットは大きいと思います。

一方で、配合剤はパッと見た感じ、糖尿病薬であることに気づきにくく、シックデイ時の対応や、検査や手術時の見落としなどの危険もあります。この点は注意が必要ですね。

半減期

SGLT2阻害薬の半減期を比べると下記です。

  • スーグラ
    …約15時間
    ※2型糖尿病患者、50mg単回投与
  • デベルザ(アプルウェイ)
    …約5.4時間
    ※健康成人男性、20mg単回投与
  • ルセフィ
    …約11時間
    ※健康成人男性、2.5mg単回投与
  • フォシーガ
    …約8〜12時間
    ※健康成人男性、2.5mg及び10mg単回投与
  • カナグル
    …約10時間
    ※2型糖尿病患者、100mg単回投与
  • ジャディアンス
    …約14〜18時間
    ※2型糖尿病患、10mg及び25mg反復投与

※各種、添付文書をもとに作成

デベルザ(アプルウェイ)の半減期は約5時間です。ほかのSGLT2阻害薬(概ね10時間以上)に比べてかなり差がありますね。

半減期が短いため、夜間頻尿やそれに伴う不眠が起こりにくいといわれています。効果のキレが良く夜間の利尿効果が弱いと考えられるからです。一方で、半減期が長いスーグラやジャディアンスは効果が長時間続き、夜間頻尿のリスクが懸念されます。

SGLT2阻害薬による夜間頻尿を疑う場合には、デベルザ(アプルウェイ)の選択もありですね。副作用軽減のために半減期に着目する!薬剤師に必要な視点だと思いました。

コスト

最後に、SGLT2阻害薬をコストで比べると下記です。

製剤名 減量 通常量 増量
スーグラ ¥130.6
※25mg
¥195.2
※50mg
¥390.4
※50mg×2
デベルザ
(アプルウェイ)
¥193.2
(¥198.1)
※20mg
ルセフィ ¥180.0
※2.5mg
¥269.8
※5mg
フォシーガ ¥195.1
※5mg
¥290.5
※10mg
カナグル ¥183.9
※100mg
ジャディアンス ¥190.4
※10mg
¥325.1
※25mg

※2020.8時点

通常量は大差がありません。あえていうならルセフィが1番安いです。増量の場合にはそれなりに差が開きますね。ただし、ルセフィが低コストである点は変わりません。

一方で、ハイコストはスーグラです。特に増量の場合はルセフィの約1.5倍になります。

一般的にコストよりも、使い勝手や有効性を重視する傾向があります。しかし、併用薬の種類や量によってはコストも無視できません。特に、心不全合併の場合には、高薬価の利尿薬や予後を改善する新薬の登場により、とんでもない薬代を支払われている方もおられます。

「コスト第一」とはならなくても、費用も合わせて薬剤を選択する、提案するのも薬剤師の大切な仕事だと感じています。もし、SGLT2阻害薬をコストだけで選ぶなら、ルセフィか、固定用量のカナグルといった具合ですかね。

ちなみにスーグラ25mgの出番は?

重度の肝機能障害がある人は25mgの低用量からスタートします。スーグラにのみ減量用量の設定があるようです。

9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない

スーグラ添付文書より

まとめ

今回はSGLT2阻害薬の比較について!

国内で販売中の6成分7種類の違いをまとめました。

この比較をもとにどのように使い分ければいいのか?

エビデンス重視なら、ジャディアンス、カナグル、フォシーガですね。大規模臨床試験で心血管イベントや心不全による入院リスクの低減、腎保護作用などが確認されているからです。

さらに今後は、糖尿病性腎症や心不全、腎不全などにも適応が追加される日が来るでしょう。

一方で、1型糖尿病に使うなら、現時点でスーグラとフォシーガが選択肢に上がります。近頃、処方が増えてますよね。

あとは……。記事を書きながら、ルセフィとデベルザの出番がむずかしいと感じました。あえていうなら、デベルザ(アプルウェイ)は半減期が短いので、夜間頻尿が問題になる人では使いやすいのかも。

となると、ルセフィは?うーんと悩みながらも、しいていうなら薬価が1番安い点でしょうか。長い目で見ると、患者さんの負担や医療費も軽視できませんからね。

最後に記事を書き終えて思ったのは、SGLT2阻害薬の違いはそれなりにあるということ。発売当初はどれも同じに見えてたので…(^_^;)。

今後は、新しいエビデンスによりもっと違いが明確になるのか、それとも最終的にはどれも同じに行き着くのか?注目していきたいです♪

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