オンボーとステラーラ【共通点と相違点まとめ】

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2023年3月にオンボー点滴静注・皮下注が承認されました。

一般名はミリキズマブ、インターロイキン-23に作用する潰瘍性大腸炎の治療薬です。

オンボーの特徴は何か?
類似薬ステラーラと何が違うのか?

両薬剤を比較しながら、共通点と相違点についてまとめたので共有します。

オンボーは令和5年6月21日に発売予定です→発売されました。

目次

オンボーとステラーラの比較表

まずはオンボーとステラーラの比較から。

オンボーステラーラ
販売開始2023年6月2017年5月
一般名ミリキズマブウステキヌマブ
分類ヒト化抗IL-23p19モノクローナル抗体ヒト型抗IL-12/23p40モノクローナル抗体
規格点滴静注300mg/15mL
皮下注100mgシリンジ1mL
皮下注100mgオートインジェクター1mL
点滴静注130mg/26mL
皮下注45mgシリンジ0.5mL
適応点滴静注
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法
既存治療で効果不十分な場合に限る

皮下注
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法
既存治療で効果不十分な場合に限る
点滴静注
中等症から重症の活動期クローン病の導入療法
 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法
既存治療で効果不十分な場合に限る

皮下注
中等症から重症の活動期クローン病の維持療法
 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法
尋常性乾癬、関節症性乾癬
既存治療で効果不十分な場合に限る
用法用量
(潰瘍性大腸炎)
点滴静注
1回300mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)投与
12週時に効果不十分な場合は1回300mgを4週間隔で3回(12週、16週、20週)投与

皮下注
1回200mgを4週間隔で投与
点滴静注
1回に体重別投与量(260mg、390mg、520mg)を単回投与

皮下注
1回90mgを12週間隔で投与
効果が減弱した場合、投与間隔を8週間に短縮可
オンボー、ステラーラ、電子添文より作成

ざっとこんな感じです!

ここからは共通点と相違点を見ていきます。

オンボーとステラーラの共通点

共通点は大きく4つです。

知りたい項目をクリックすると内容が確認できます

生物学的製剤

オンボーとステラーラは生物学的製剤細胞培養や遺伝子工学技術により、特定の分子に結合するように設計された高分子タンパク質製剤のこと)に分類されます。どちらも免疫反応や炎症調節に関わるインターロイキン(種類に違いあり、後述します)に結合するモノクローナル抗体です。

潰瘍性大腸炎に用いる生物学的製剤(モノクローナル抗体)
分類製品名一般名
抗TNF-α抗体レミケードインフリキシマブ
ヒュミラアダリムマブ
シンポニーゴリムマブ
α4β7インテグリン抗体エンタイビオベドリズマブ
抗IL-12/23p40抗体ステラーラウステキヌマブ
抗IL-23p19抗体オンボーミリキズマブ

オンボー含めて全部で6種類あります。中でもエンタイビオは最近よく使われている印象です。別記事で同薬とカログラ錠(インテグリン阻害薬)についてまとめているので、合わせてご覧頂けたら嬉しいです!

臨床の位置付け

オンボーとステラーラは中等症から重症の潰瘍性大腸炎における寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限るに用います。臨床の位置付けはほぼ変わりません。ポイントは3つです。

①病期について

潰瘍性大腸炎は症状がある「活動期」と症状が落ち着いている「寛解期」を繰り返す疾患です。オンボーとステラーラは活動期の寛解導入」と「寛解期の維持療法に用います。

持田製薬株式会社 BelieveUCan
潰瘍性大腸炎治療薬:適応となる病期
分類・製剤寛解導入維持療法
アミノサリチル酸製剤(5-ASA)
副腎皮質ホルモン
免疫調節剤(チオプリン)
α4インテグリン阻害薬
抗α4β7インテグリン抗体
抗TNF-α抗体
抗IL-12/23p40抗体
JAK阻害薬
免疫抑制剤(タクロリムス、シクロスポリン等)

ステロイドは維持療法に推奨されていません。寛解維持効果が乏しく、長期投与による副作用のリスクもあるからです。同様にカログラ錠も副作用のリスクから寛解導入のみに用います。

JAK阻害薬の中で潰瘍性大腸炎の適応があるのはゼルヤンツ、ジセレカ、リンヴォックです。ゼルヤンツとジセレカの特徴は別記事でまとめているので合わせてご覧くださいね。

②重症度による選択

潰瘍性大腸炎の治療薬は重症度によって使い分けます。オンボーとステラーラは中等症から重症の病態が適応です。

潰瘍性大腸炎診断基準(令和6年3月31日改訂)より
  • 重症:1)および2)に加えて、全身症状である3)または4)のいずれかを満たし、かつ6項目のうち4項目以上を満たす
  • 軽症:6項目すべてを満たす
  • 中等症:重症と軽症の中間にあたる

③従来薬との使い分け

オンボーとステラーラは他の薬物療法で効果が不十分な時に選択します。具体的には、下記のようにステロイド依存例ステロイドを減量・中止すると再燃する、アザチオプリンの寛解維持療法中に再燃する)、ステロイド抵抗例(ステロイドで改善が得られない)が対象です。

潰瘍性大腸炎診断基準が令和6年3月31日に改定され、オンボー(ミリキズマブ)の記載が追加されました。

潰瘍性大腸炎診断基準(令和6年3月31日改訂)より
参考:潰瘍性大腸炎診断基準(令和5年3月31日改訂)
潰瘍性大腸炎診断基準(令和5年3月31日改訂)より

寛解が得られた時点で、維持療法へ移行します。オンボー、ステラーラともに点滴静注から皮下投与へ製剤を変更して投与を継続するかたちです。

有効性

オンボーとステラーラは、どちらも寛解導入、維持療法においてプラセボに比べて優越性が示されています。

AMAN試験:寛解導入療法
対象者既存治療薬で効果不十分な中等症から重症の活動性UC患者
ステロイド、免疫調節剤、生物製剤(抗TNF抗体又は抗インテグリン抗体)又はJAK阻害剤のうち少なくとも1剤
介入ミリキズマブ300mgを4週ごとに点滴静注
比較プラセボ
主要評価項目:12週時点の臨床的寛解(%)
オンボー
868例
プラセボ
294例
プラセボとの差
24.2%13.3%11.1
(p=0.00006)
排便回数サブスコア0又は1かつベースラインからの1ポイント以上低下、かつ直腸出血サブスコア0、かつ内視鏡所見サブスコア0又は1

対象患者もほぼ同じですが、先行投与薬剤の種類に少し違いがあります。オンボーは抗TNF-α抗体、α4インテグリン阻害薬、ステロイド、免疫抑制剤に加えて、JAK阻害薬で効果が不十分であった例も含まれています。

安全性

押さえておきたいポイント

オンボーとステラーラはどちらも「感染症リスク増加」と「腫瘍発生の可能性」に関する注意喚起がされています。インターロイキンは免疫反応や抗腫瘍免疫に働くサイトカインだからです。

投与前には、感染症リスクとその対処法の説明、結核感染の有無をチェックについて説明を行う必要があります。また、生ワクチンの接種を避けなければなりません。免疫抑制により、感染症発現の危険性があるからです。

本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため、本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。

本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと。

生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、本剤投与中は生ワクチン接種を行わないこと。

臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること(オンボー)

本剤はIL-12/23の作用を選択的に抑制する薬剤であり、悪性腫瘍発現の可能性があり、臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること(ステラーラ)

オンボー、ステラーラ電子添文

腫瘍発生に関しては因果関係が不明であるものの、報告がありRMP計画にも潜在的なリスクとして注意喚起がされています。

オンボーとステラーラと相違点

相違点は大きく4つです。

  1. 抗体の種類
  2. 作用機序
  3. 適応
  4. 投与方法

順に見ていきましょう!

抗体の種類

1つ目の相違点。オンボーとステラーラは抗体の種類に違いがあります。

オンボー
ステラーラ

ヒト化抗体(マウス由来の遺伝子配列を5〜10%含む

ヒト抗体(100%ヒト抗体由来

抗体製剤の種類
種類組成:マウスの割合組成:ヒトの割合
マウス抗体100%
キメラ抗体約30%約70%
ヒト化抗体約5〜10%約90〜95%
ヒト抗体100%

これだけは知っておきたいバイオ医薬品 くすりの適正使用協議会

ヒト抗体は免疫原性が低く、抗薬物抗体(ADA)や中和抗体の出現頻度を抑えられるのが利点です。実際には、臨床試験の解析によると、頻度はステラーラの方が低い値でした。

ミリキズマブ:12ヵ月間投与された潰瘍性大腸炎患者のうち、23.3%(88/378例)でミリキズマブに対する抗体が産生され、そのうち93.2%(82/88例)は中和抗体であった。抗ミリキズマブ抗体価の上昇に伴い、治療効果が減弱する傾向が認められた。抗ミリキズマブ抗体の発現状況と過敏症又は注射関連の有害事象との間に明確な関連は認められなかった。抗ミリキズマブ抗体が陽性となった患者では、血清中ミリキズマブ濃度が低下し、治療効果が減弱する可能性がある

ウステキヌマブ:クローン病を対象とした国際共同試験において2.9%、潰瘍性大腸炎を対象とした国際共同試験において4.6%の患者がそれぞれ抗ウステキヌマブ抗体陽性となった。抗ウステキヌマブ抗体が陽性となった患者では効果が減弱化する可能性がある

オンボー、ステラーラ 電子添文より

ただし、抗体出現の有無によって、有効性や安全性に大きな差が見られないことも示されており、抗体製剤の種類(ヒト化とヒト型の違い)をもって、両者を使い分けるといったことはないと思われます。

オンボー:維持期40週時の有効性(審議結果報告書より)
ADA陽性
87例
陰性
269例
臨床的寛解達成57.5%
(50/87)
47.6%
(128/269)
内視鏡的改善達成65.5%
(57/87)
56.5%
(152/269)
臨床的改善達成82.8%
(72/214)
79.6%
(214/269)
ステラーラ:維持期44週時の有効性(審議結果報告書より)
ADA陽性
87例
陰性
269例
臨床的寛解25%
(3/12)
41.7%
(140/336)
内視鏡的改善50%
(6/12)
47.3%
159/336
臨床的反応75%
9/12
74.1%
249/336

作用機序

2つ目の相違点。ここはポイントです。どちらもインターロイキン(IL)に対するモノクローナル抗体ですが、ターゲットとなるILの種類が異なります。

オンボーはIL-23、
ステラーラはIL-12とIL-23です

違いはステラーラがIL-12にも結合できる点。なぜなのか?というと、IL-23とIL-12は以下2つのサブユニットから構成され、ステラーラは共通のp40に親和性を示すからです。オンボーはp19に結合し、IL-23の働きだけを妨げます。

IL-23IL-12
サブユニットp19とp40p35とp40
分泌細胞樹状細胞
マクロファージ
樹状細胞
マクロファージ
作用ヘルパーT細胞17の分化・誘導、炎症性サイトカイン産生、好中球遊走ヘルパーT細胞1の分化・誘導、抗腫瘍免疫、細胞やウイルスへの免疫応答
オンボー適正使用ガイド参照

オンボーの売りは選択性の高さ(メーカーが言うには)、IL-12に対する作用がなく、ステラーラに比べて免疫反応や抗腫瘍免疫抑制作用の軽減が期待されています。

オンボーの作用機序(イメージ図)
オンボー適正使用ガイド
ステラーラの作用機序(イメージ図)
ステラーラによる潰瘍性大腸炎治療について(患者向け)

選択性の違いが有効性や安全性にどう影響するのか気になるところですが、現時点で明確な答えに辿り着ことはできませんでした…。

適応

続いて3つ目の相違点。オンボーは潰瘍性大腸炎のみの適応です。一方で、ステラーラは2011年1月に尋常性乾癬の適応で承認後、2017年3月にクローン病、2020年3月に潰瘍性大腸炎が追加されています。

適応オンボーステラーラ
潰瘍性大腸炎
クローン病
尋常性乾癬

投与方法

オンボーの投与方法
寛解導入維持療法
点滴300mg0週
4週
8週
皮下200mg4週間隔
効果不十分追加投与OK
(12週16週20週)
効果不十分300mg投与可
(4週ごとに3回)
ステラーラの投与方法
寛解導入維持療法
点滴260mg
390mg
520mg
0週のみ皮下注90mg12週間隔
効果不十分対応なし効果不十分8週間隔に短縮

最後に相違点の4つ目。

ポイントは4つあります。ここはややこしいので、順に見ていきますね。

①寛解導入:投与方法の違い

オンボーは固定用量です。体重に関係なく一律1回300mgの投与を行います。一方で、ステラーラは個別用量です。体重に合わせて3パターンから選択します。

ステラーラ:寛解導入時の投与量
体重85kg超55kg超・85kg以下55kg以下
投与量520mg390mg260mg
バイアル数432

投与回数も異なります。オンボーは4週ごとに3回投与、ステラーラは1回投与です。

0123456789101112
オンボー


ステラーラ
寛解導入時の投与間隔

②維持療法:投与方法の違い

寛解導入と異なり、維持療法はどちらの固定用量です。オンボーは1回200mg(100mg×2本)、ステラーラは1回90mg(45mg×2本)皮下に投与します。いずれも2本投与するのが面倒ですね。

維持療法の開始タイミングはいつなのか?

オンボーは寛解導入(048週)終了後、12週目()からです。後述しますが、効果不十分で追加投与を行なった場合には、24週目からになります。一方で、ステラーラは寛解導入(0週のみ)終了後、8週目()からです。

02468101214161820
オンボー
寛解導入期間維持療法期間
ステラーラ
寛解導入期間維持療法期間
点滴静注  皮下注射

オンボー

本剤(点滴製剤)の3回目又は6回目投与の4週後に治療効果が得られた場合には、維持療法としてミリキズマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤の投与を開始すること

ステラーラ

維持療法については、本剤(点滴製剤)初回投与の8週後、ウステキヌマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤の投与を行う

オンボー点滴静注、ステラーラ点滴静注 電子添文

維持療法の投与間隔も異なります

オンボーは4週ごと。これは寛解導入時の間隔と同じです。わかりやすいですね!一方で、ステラーラは12週ごと。寛解導入(0週のみ)後、8週目(ここは注意!)に皮下投与へ切り替え、その後12週間隔で繰り返し投与を行います。通院回数が少なくなるのはメリットですね。

オンボーは令和6年6月より自己注射が認められました。自宅での投与が可能になり、ステラーラ同様に、通院回数を減らせます。

オンボー®皮下注 100mg オートインジェクター、オンボー®皮下注 100mg シリンジ、使用上の注意改訂のご案内

③効果不十分時の対応

この点、オンボーは難治例に向いている印象を持ちました。寛解導入時と維持療法中に追加投与(1回300mgを4週ごとに3回)が可能だからです。

通常、成人にはミリキズマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)点滴静注する。なお、12週時に効果不十分な場合はさらに1回300mgを4週間隔で3回(12週、16週、20週)投与することができる。また、ミリキズマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤による維持療法中に効果が減弱した場合には、1回300mgを4週間隔で3回点滴静注することができる。

オンボー点滴静注 電子添文

一方、ステラーラの方は、維持療法中には投与期間の短縮が可能ですが、寛解導入時には追加投与の設定はありません

本剤の8週間隔への投与間隔短縮は、本剤の皮下投与中に効果が減弱した患者に対し、本剤の皮下投与開始から8週以降に行うことができる。

ステラーラ皮下注 電子添文

④中止・他剤への切り替えタイミング

ここはかなり煩雑です。「寛解導入に至るまでの対応」と「維持療法中の対応」に分けて考える必要があります。

寛解導入に至るまでの対応(例)

スクロールできます
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オンボー
ステラーラ
点滴静注  皮下注射

効果不十分時における中止・切り替えの判断

オンボーは24週目()、ステラーラは20週目()に行います

本剤(点滴静注)の6回目投与の4週後までに治療効果が得られない場合には、本剤の投与を中止し、他の治療法への切替えを考慮すること

オンボー点滴静注 電子添文

本剤の皮下投与開始後、本剤の2回目の皮下投与までに治療反応がない場合、投与を継続しても効果が得られない可能性があることから、本剤の投与継続の必要性を検討すること

ステラーラ皮下注 電子添文

ステラーラは寛解導入に至らずとも、皮下注射を1回行えます。初回0週目投与後8週目に皮下投与を行い、16週目に効果を認めた患者(導入期遅延反応者)の割合が59.7%と高かったためです(審議結果報告書参照)

ウステキヌマブ(遺伝子組換え)の点滴静注製剤を投与8週後に、通常、成人にはウステキヌマブ(遺伝子組換え)として90mgを皮下投与し、以降は12週間隔で90mgを皮下投与する。

ステラーラ皮下注 電子添文

維持療法中の対応

寛解導入が上手くいったけど、維持療法中に再燃するケースです。

スクロールできます
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オンボー
維持療法期間追加投与期間
ステラーラ
維持療法期間投与期間短縮期間
効果減弱時点  点滴静注  皮下注射

効果不十分時における中止・切り替えの判断

オンボーは維持療法中の追加投与(4週ごと3回)終了後、4週目に判断()します

ミリキズマブ(遺伝子組換え)皮下投与用製剤による維持療法中に効果が減弱し、本剤の3回投与により治療効果が得られた場合には、3回目投与の4週後から皮下投与用製剤の投与を再開すること。治療効果が得られない場合は、本剤の投与を中止し、他の治療法への切替えを考慮すること。

オンボー点滴静注 電子添文

効果不十分時における中止・切り替えの判断

ステラーラは、維持療法中に投与期間短縮を行い、16週目の時点で判断()します

本剤の8週間隔への投与間隔短縮は、本剤の皮下投与中に効果が減弱した患者に対し、本剤の皮下投与開始から8週以降に行うことができる。本剤の投与間隔を短縮しても16週以内に治療効果が得られない場合、投与を継続しても効果が得られない可能性があることから、本剤の投与継続の必要性を検討すること。

ステラーラ皮下注 電子添文

選択性の違いが有効性や安全性にどう影響するのか気になるところですが、現時点で明確な答えに辿り着ことはできませんでした…。

まとめ

今回は、オンボーの特徴は何か?類似薬ステラーラと何が違うのか?

両薬剤を比較しながら、共通点と相違点についてまとめました。

オンボーの登場により、潰瘍性大腸炎治療薬の選択肢がさらに増えます。ステロイド依存例や抵抗例に対してどのように薬剤を選択するのか?私見では、オンボーは最終兵器(追加投与が寛解導入時と維持療法中に使える)といった感じですが、実際にはどうなるのでしょうか、注目していきたいです。

目次