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【6つの相違点】サルプレップの特徴をモビプレップと比較しながら解説!

サルプレップ配合内用液が発売されました!

大腸内視鏡検査の前に飲む腸管洗浄剤です。

・どのような特徴があるのか?
・従来薬モビプレップと何が違うのか?

今回は、両薬剤の相違点を比較しながら、サルプレップの特徴をまとめたので共有したいと思います。

目次

サルプレップとモビプレップの比較表

まずは、両薬剤をざっくりと比較。以下のようになります。

こうしてみると、同じ経口腸管洗浄剤であってもそれなりに違いがあります。比較表をもとに、ポイントを見ていきましょう。

サルプレップとモビプレップの相違点

サルプレップとモビプレップ、押さえておきたい相違点は大きく6つです。

  1. 調製の要否
  2. 作用機序
  3. 適応
  4. 服用方法
  5. 腎機能障害時の投与
  6. 相互作用

順番に見ていきましょう。

調製の要否

ここが1番の違いですね。サルプレップは調製の必要がありません。1本あたり480mLの製剤(溶解すみ)です。一方で、モビプレップは水で溶かし2リットルに薄めて飲む製剤、袋に粉(薬の成分)が充填されています。

サルプレップ
モビプレップ
  • 1本480mL
  • 調製不要
  • 1袋
  • 調製必要(2Lに溶解)

メリットは大きく3つです。

  • 調製の手間が省ける
  • 濃縮液を飲むリスクを回避できる
  • 溶解方法の理解や説明が不要

①調製の手間が省ける

サルプレップはあらかじめ溶解されています。指示された時間になったらキャップをはずして飲むだけでOKです。モビプレップのように、事前の準備(大室と小室の開通、溶解操作、目印までの加水等)が必要ありません。

②濃縮液を飲むリスクを回避できる

また、溶解ミスの心配も無用。加水忘れによる濃縮液の服用を回避できます。

③溶解方法の理解や説明が不要

さらに、自宅で飲める人が増えるかも知れません。溶解方法の理解不足による外来対応(病院に来てから飲む)、入院対応はそれなりにあったので。あとは、医療従事者の説明が不要になり、診療をスムーズに行えるのもメリットだといえます。

一方で、デメリットは何か?

持ち運び(重たい?)ですかね。480mLを2本、家に持って帰るのが大変そうです。

あと、使用期限が気になりましたが、製造後27ヶ月なので特に問題はないと思います。

サルプレップは溶解すみの製剤。モビプレップよりも使い勝手は良さそうですね。

作用機序

どちらも腸管内の浸透圧を上げて、水分を保持することで洗浄効果を発揮します。違いは、浸透圧を高める成分です。

サルプレップ
モビプレップ
  • 硫酸イオン
  • マクロゴール4000

サルプレップは下記3つの硫酸塩を配合しています。

  • 無水硫酸ナトリウム
  • 硫酸カリウム
  • 硫酸マグネシウム

いずれも日本薬局法に収載されており、瀉下薬としての効能があります。3つの硫酸塩は単剤による電解質変動を最小限に抑えるのが役割です。

一方で、モビプレップの浸透圧成分はマクロゴール4000になります。いわゆるPEG(ポリエチレングリコール)ですね。ご存知のとおり、慢性便秘症の治療薬モビコールは有効成分(浸透圧成分)としてPEGを含有しています。

このように、同じ腸管洗浄剤であっても、浸透圧成分が異なるわけですね。

浸透圧成分の違いで効果に差があるのか?

国内第3相臨床試験
  • 患者:20歳以上の日本人大腸内視鏡検査受診者602例
  • 介入:サルプレップを2つの方法で投与(2日間に分割、当日に1日分)
  • 比較:モビプレップを当日に1日分投与
  • 結果:全般的腸管洗浄効果の有効症例の割合
サルプレップ vs モピブレップ、結果は以下のとおりです
全般的腸管洗浄効果の有効症例の割合
サルプレップ:2日間分割投与
92.1%
サルプレップ:当日1日投与
97.0%
モビプレップ:当日1日投与
95.0%

※95%信頼区間の下限値→非劣性マージン-10%を上回る(非劣性)

以上から、サルプレップの臨床効果はモビプレップと変わりません。1日投与群、2日間分割投与群いずれにおいても同様ですね。

適応

どちらも経口腸管洗浄剤ですが、適応に違いがあります。

サルプレップ
モビプレップ
  • 大腸内視鏡検査時の前処置における腸管内容物の排除
  • 大腸内視鏡検査、大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除

ここは、大きな違いだと思います。サルプレップは大腸内視鏡検査(colonoscopy:CS)のみ。ポリープやがんの有無を調べたり、出血源や炎症等を観察するための検査に用います。

一方で、手術には使えません。手術というのは、外科的なものだけでなく内視鏡で行うものも含まれます。たとえば、ポリープの切除、EMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)など。(※メーカーDIより)

ここは残念な部分ですね。仮に検査目的でサルプレップを飲んで、結果でポリープが見つかり治療となると、次はモビプレップ等へ変更せざるを得ないからです。サルプレップの方が飲みやすく、患者さんに適していたとしても、適応がないので仕方がありません。

適応に注目すると、モビプレップの方が適応場面が広く使い勝手は良いといえます。適応の拡大を待つしかないですね。

服用方法

続いて4つ目の相違点。サルプレップとモビプレップは服用方法が違います。

ポイントは3つです。

  • 薬液と水分量
  • 2日分割投与法
  • 脱水予防の方法

薬液と水分量

投与方法を比較すると下記です

サルプレップ
STEP
薬液

480mLを30分かけて

STEP
水又はお茶

1000mLを60分かけて

STEP
効果不十分時

薬液240mL→水500mL→薬液240mL→水500mL

  • 最大薬液量960mL
  • 最大水分量2000mL
モビプレップ
STEP
薬液

1000mLを60分かけて

STEP
水又はお茶

500mLを30分かけて

STEP
効果不十分時

薬液500mL→水250mL→薬液500mL→水250mL

  • 最大薬液量2000mL
  • 最大水分量1000mL

ポイントは3点です。

  • サルプレップは薬液量が少ない
  • その代わりに、水分量が多い
  • 全体の液量(薬液と水分)は変わらない

サルプレップはモビプレップに比べて薬液量が少なくて済みます。上手くいけば480mLでOK。一方で、モビプレップは最低でも1000mL飲まなければなりません。ここがメリット!

ただし、薬液が減った分、水分量が増えます。結局トータルの液量はモビプレップと変わりません。つまり、全体の液量はそのままに、薬液量と水分量の割合を変えたわけです。

全体の液量はそのままに、薬液量と水分量の割合が異なる

・サルプレップ…薬液量:水分量=1:2

・モビプレップ…薬液量:水分量=2:1

どちらがいいのか?普通に考えて薬液が少ない方が良いに決まってます。しかし、水分自体が多く飲めない人もときどきいるので、サルプレップの完全勝利というわけにはいきません。それに、もしかすると、かなり不味い可能性もあるので…。味が気になりますね。

2日分割投与法

サルプレップは前日と当日に分けて飲むことができます。

当日の検査が早く開始できる

ここがメリットですね。国内第3相臨床試験によると、2日間分割投与は1日投与に比べて、腸管洗浄終了までの時間が有意に短くなることが示されています。

内視鏡当日の投与開始から腸管洗浄終了までの時間
サルプレップ:2日間分割投与
119.0分
サルプレップ:当日1日投与
170.2分
モビプレップ:当日1日投与
165.2分

※サルプレップの投与群間差(p<0.001)

サルプレップは、コロナ渦では特に有用だと思います。病院に来てから薬を飲む場合には、早く検査を受けて帰宅できるからです。午後に集中する検査を午前中に分散することもできます。

脱水予防の方法

サルプレップは1杯2杯法というものがあります。これは脱水を防ぐための方法です。

通常法
STEP
薬液

480mLを30分かけて

STEP
水又はお茶

1000mLを60分かけて

STEP
効果不十分時

薬液240mL→水500mL→薬液240mL→水500mL

  • 最大薬液量960mL
  • 最大水分量2000mL
1杯2杯法
STEP
薬液

120mLを10分かけて

STEP
水又はお茶

250mLを10分かけて

STEP
便が透明になるまで(反復)

薬液120mL→水250mL→薬液120mL→水250mL

  • 最大薬液量2000mL
  • 最大水分量1000mL

薬液と水分の比率はそのままに一回量を分割するイメージです。ちなみに、2日分割投与も1杯2杯法を選択できます。詳細は下記をご確認くださいね。

ちなみにモビプレップにも脱水予防の方法があります

記事を書くにあたって知りました。こちらは2杯1杯法です。薬液と水分量の比率がサルプレップと逆だからですね。

モビプレップの飲み方(脱水に注意が必要な方)

サルプレップは脱水リスクが高い人に1杯2杯法(1日投与と2日分割投与)を選択できます。個々に合わせて投与方法をセレクトできるのが魅力ですね。あと、1杯2杯法は飲み方がわかりやすいので、理解力に不安のある方にも向いていると思いました。

腎機能障害時の投与

続いて5つ目の相違点。サルプレップは重度の腎機能障害がある方には使用できません。

サルプレップ
モビプレップ
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 胃腸管閉塞症又は腸閉塞の疑いのある患者
  • 腸管穿孔のある患者
  • 胃排出不全のある患者
  • 中毒性巨大結腸症の患者
  • 重度の腎機能障害のある患者(Ccr30mL/分未満)
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 胃腸管閉塞症及び腸閉塞の疑いのある患者
  • 腸管穿孔
  • 胃排出不全
  • 中毒性巨大結腸症

なぜ、サルプレップは使えないのか?

腎機能の低下は、吸収されたマグネシウムイオンの排泄を遅延させ、高Mg血症を引き起こす可能性があるからです。効果を高め、電解質の乱れを最小化するために配合された硫酸マグネシウムが腎機能が悪い人にとってはリスクになるわけですね。

一方で、モビプレップは透析患者さんを含め腎機能障害のある人にも使用できます。ただし、体液や電解質異常を起こす可能性があるため慎重投与の扱いです。

サルプレップ処方時には腎機能の評価が欠かせない点は押さえておきましょう。

相互作用

最後に6つ目、相互作用に違いがあります。

サルプレップ
モビプレップ
  • 重要な基本的注意:経口投与された薬剤の吸収を妨げる可能性があるので、投与時間等に注意すること。また、薬剤の吸収阻害が臨床上重大な問題となる薬剤を投与中の患者については、院内で十分観察しながら投与すること
  • 相互作用:テトラサイクリン系抗生物質、フルオロキノロン系抗菌剤、鉄剤、ジゴキシン、クロルプロマジン、ペニシラミン等
    本剤投与の2時間前又は投与後6時間以降に服用するなど、同時には服用しないこと
  • 重要な基本的注意:経口投与された薬剤の吸収を妨げる可能性があるので、投与時間等に注意すること。また、薬剤の吸収阻害が臨床上重大な問題となる薬剤を投与中の患者については、院内で十分観察しながら投与すること

どちらも併用薬剤の吸収を妨げる

まず、共通事項として、腸管洗浄剤は併用薬剤の吸収を妨げる可能性があります。腸管内における滞留時間の短縮や受動拡散による吸収低下(水分保持による濃度勾配↓)などの影響が考えられるからです。

実際の対応としては、休薬を基本としながらも、降圧剤や心臓の薬などに限って腸管洗浄剤の前に服用していただく施設が多いのではないでしょうか。休薬によるデメリットを考え、休薬の要否・可否を検討するかたちです。

サルプレップは併用注意薬の記載あり!

ここが違いですね。マグネシウムイオンとのキレート形成により、吸収を妨げる可能性があります。併用する場合には、服用タイミングの変更が必要です。ここは留意しておきましょう。

まとめ

今回はサルプレップの特徴について、モビプレップとの違いに注目しながら解説しました。

使い勝手は良さそう!

そう感じました。何より調製が不要でそのまま服用できるのは魅力ですよね。また、投与方法が豊富なのも強みです。標準法(1日投与と2日分割投与)と1杯2杯法(1日投与と2日分割投与)を合わせると、全部で4パターン。患者さんに合わせた方法を選べます。

一方で、残念なところも!

検査のみの適応(手術に使えない)、重度腎機能障害の人に禁忌、相互作用でキレート形成がある点など…。

あとは味が気になります。患者さんにとってかなり重要なポイントなので…。でも、あまり期待しない方がいいかも知れませんけどね(^-^)

今後、モビプレップからサルプレップに切り替えるケースは増えていくのか?使用動向に注目していきたいと思います♪

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