病院薬剤師が取得できる専門・認定資格58種まとめ

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今回のテーマは病院薬剤師のキャリアアップに欠かせない「専門・認定資格」です。病院薬剤師の資格は、高い専門性を発揮し、チーム医療の中でより高度な役割を担うとともに、日常業務においても薬学的ケアの質を上げ、患者さんへのアプローチの幅を広げるための武器になります。病院薬剤師が取得できる主な資格は全部で58種類ありました(私の調べ)。それぞれの取得要件を整理したので共有します。

認定・専門薬剤師制度は随時改定されるため、最新の要件(実務年数や単位数、実績など)は必ず各学会の公式サイトをご確認ください。

目次

1. 日本病院薬剤師会

日本病院薬剤師会は①がん、②感染制御、③精神科、④妊婦・授乳婦、⑤HIV感染症の5領域で認定薬剤師・専門薬剤師を認定しています。薬物療法における高度な知識・技術を備えた薬剤師を育て、国民の保健、医療、福祉に貢献するのが目的です。専門薬剤師は認定薬剤師の取得が前提条件(上位資格)であり、専門領域の活動における研究実績が求められています。

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名称薬剤師
経験
講習
研修
施設要件実績試験更新
日病薬薬学認定薬剤師6年
がん薬物療法認定薬剤師3年50症例5年
がん薬物療法専門薬剤師発表2回
論文1編
5年
感染制御認定薬剤師3年20症例5年
感染制御専門薬剤師発表2回
論文1編
5年
精神科薬物療法認定薬剤師3年30症例5年
精神科薬物療法専門薬剤師発表2回
論文1編
5年
妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師3年15症例5年
妊婦・授乳婦薬物療法専門薬剤師発表3回
論文1編
5年
HIV感染症認定薬剤師3年10症例5年
HIV感染症専門薬剤師発表2回
論文1編
5年
日病薬病院薬学認定薬剤師とは?

日本病院薬剤師会の研修制度により、高度化・複雑化する薬物療法等の幅広い知識と高度な技能を習得し、臨床現場における実践力を有することが認められた薬剤師です。認定・専門薬剤師がある領域の「スペシャリスト」であるなら、日病薬薬学認定薬剤師は幅広い分野において総合力を磨いた「ジェネラリスト」であるといえます。

日病薬病院薬学認定薬剤師の要件

(1)本会正会員又は特別会員(保険薬局勤務・大学教員等の薬剤師)であること
(2)過去3年度を通算して50単位以上を取得し、かつ下記①〜③のすべてを満たすこと

①日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムのうち、下記項目の単位数を取得していること 

⚫ I-1~3の各項目の中から1項目以上履修し、合計2単位以上取得すること
⚫ II-1~6の各項目の中から2項目以上履修し、合計4単位以上取得すること
⚫ III-1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること
⚫ IV-1~2の各項目を履修し、合計4単位以上取得すること
⚫ V-1~3の各項目を履修し、合計6単位以上取得すること

②薬剤師認定制度認証機構から認証を受けた他の生涯研修プロバイダーから付与された単位は有効とする。ただし、日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムに沿った内容の研修会あり、かつ通算50単位のうち10単位以下であること

③毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)10単位以上取得していること

(3)日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験に合格すること

一般社団法人日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師制度規程細則

まずは、認定・専門薬剤師の要件に設定されている①日病薬病院薬学認定薬剤師の資格取得を目指すのがおすすめです。その過程で進みたい専門性を見つけ、②認定薬剤師の資格を狙う流れが良いと思います。上位資格である③専門薬剤師の資格は難易度が非常に高いです。険しい道のりを越える覚悟をもって、何とか手に入れたいですね。

日本病院薬剤師会、専門薬剤師・認定薬剤師制度

2. 日本医療薬学会

日本医療薬学会は、①医療薬学専門薬剤師(臨床系教員薬剤師向け)、②がん専門薬剤師(病院薬剤師向け)、③薬物療法専門薬剤師(病院薬剤師向け)、④地域薬学ケア専門薬剤師(薬局薬剤師向け)の4つの専門・指導薬剤師制度を有しています。薬物療法における高度な知識と技術をもとに、医療スタッフとの協働・連携によるチーム医療の実践、専門領域における指導的な役割、研究活動を担える薬剤師の育成を通して、国民の医療・健康・福祉に寄与するのが目的です。指導薬剤師は専門薬剤師の上位資格に位置付けられています。

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名称薬剤師
経験
講習
研修
施設要件実績試験更新
医療薬学専門薬剤師5年10例
発表2回
論文2報
5年
医療薬学指導薬剤師発表10回
論文10報
5年
がん専門薬剤師5年50例
発表2回
論文1報
5年
がん指導薬剤師発表3回
論文3報
5年
薬物療法専門薬剤師5年50例
発表2回
論文1報
5年
薬物療法指導薬剤師発表3回
論文3報
5年
地域薬学ケア専門薬剤師5年50例
発表2回
論文1報
5年
地域薬学ケア指導薬剤師発表3回
論文3報
5年

医療薬学会の専門資格は、薬剤師経験年数が長く、研修施設での実技に加えて豊富な研究実績(症例に加えて学会発表、論文投稿)が求められる点で難易度が高いです。初めから目指すのか、日本病院薬剤師会の認定・専門薬剤師の資格取得と並行しながら狙うのか、計画的に進めたいですね。

日本医療薬学会、専門薬剤師制度

3. 専門領域・疾患に特化した臨床・薬学系学会

臨床・薬学系の学会による認定・専門薬剤師制度も数多くあります。特定の領域・疾患に対する薬物療法の専門性を高め、業務に生かせる資格ばかりです。例えば、日本臨床腫瘍学会は、外来がん治療を安全に施行するための知識・技能を習得し、地域がん医療において、患者さんとその家族をトータルサポートできる「外来がん治療認定薬剤師」を養成しています。資格によっては、上位資格(専門医薬剤師)の設定があり、スペシャリストとしての道を極めることも可能です。

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名称(関連学会)薬剤師
年数
認定資格講習
研修
施設要件実績試験更新
外来がん治療認定薬剤師
(日本臨床腫瘍薬学会)
3年10例
面接
3年
外来がん治療専門薬剤師
(日本臨床腫瘍薬学会)
10例
+面接
3年
緩和薬物療法認定薬剤師
(日本緩和医療薬学会)
3年6例
発表1回
5年
緩和医療専門薬剤師
(日本緩和医療薬学会)
10年上位資格10例
発表2回
論文2編
5年
緩和医療暫定指導薬剤師
(日本緩和医療薬学会)
上位資格発表
論文
麻薬教育認定薬剤師
(日本緩和医療薬学会)

実技
5年
抗菌化学療法認定薬剤師
(日本化学療法学会)
5年15例5年
外来抗感染症薬認定薬剤師
(日本化学療法学会)
3年10例5年
腎臓病薬物療法認定薬剤師
(日本腎臓薬物療法学会)
5年
15例
発表3回
5年
腎臓病薬物療法専門薬剤師
(日本腎臓薬物療法学会)
上位資格発表5回
論文3編
5年
腎臓病薬物療法単位履修修了薬剤師
(日本腎臓薬物療法学会)
5年5年
老年薬学認定薬剤師
(日本老年薬学会)
3年10例5年
老年薬学指導薬剤師
(日本老年薬学会)
上位資格発表10回
論文5報
5年
救急認定薬剤師
(日本臨床救急医学会)
25例5年
救急専門薬剤師
(日本臨床救急医学会)
上位資格10例、発表2回
論文1編

口頭
5年
認定薬剤師
日本臨床薬理学会)
5年発表3回
論文1編
5年
専門薬剤師
日本臨床薬理学会)
上位資格発表10回、論文10編5年
医薬品情報認定薬剤師
(日本医薬品情報学会)
発表2回5年
医薬品情報専門薬剤師
(日本医薬品情報学会)
上位資格発表3回、論文1編5年
日本精神薬学会認定薬剤師
(日本精神薬学会)

5年10例5年
プライマリ・ケア認定薬剤師
(日本プライマリ・ケア連合学会)
3年
在宅療養支援認定薬剤師
(日本在宅薬学会)
5例3年
災害医療認定薬剤師
(日本災害医学会)
5年

外来がん治療認定薬剤師は人気で、私も狙っている資格です。薬剤師研修センター等の認定が要件ではない資格は、取得しやすいですね。感染症科のない病院では薬剤師が抗菌薬の相談窓口となることが多く、抗菌化学療法認定薬剤師はおすすめです。腎臓薬物療法学会の認定は透析診療を行ってなくても日常業務に広く活用できる資格だと思います。

4. 多職種合同・チーム医療系学会(療養指導士など)

多職種との連携・チーム医療で活用できる資格も数多くあります。特定の病態や疾患に対して医師、看護師、栄養士、理学療法士、作業療法士等と密に連携、協力しながら患者さんの診療をサポートできる薬剤師を養成する制度です。中でも、栄養サポートチーム専門療法士や日本糖尿病療養指導士は有名どころです。最近では周術期管理チーム薬剤師や心不全療養指導士も注目されています。

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名称(関連学会)薬剤師
年数
認定資格講習
研修
施設要件実績試験更新
周術期管理チーム薬剤師
(日本麻酔科学会)
3年3年
栄養サポートチーム専門療法士
(日本栄養治療学会)
3年5年
栄養治療専門療法士
(日本栄養治療学会)
上位資格発表1回5年
日本糖尿病療養指導士
(日本糖尿病療養指導士認定機構)
10例5年
心不全療養指導士
(日本循環器学会)
5例5年
循環器病予防療養指導士
(日本高血圧学会、循環器病予防学会、動脈硬化学会)
3年5例5年
腎臓病療養指導士
(日本腎臓病協会)
3年10例5年
骨粗鬆症マネージャー
(日本骨粗鬆症学会)
5年
リウマチ財団登録薬剤師
(日本リウマチ財団)
3年5例5年
アレルギー疾患療養指導士
(日本アレルギー疾患療養指導士認定機構)
2年
10例

5年
公認スポーツファーマシスト
(日本アンチ・ドーピング機構)
4年
NR・サプリメントアドバイザー
(日本臨床栄養協会)
5年

多職種連携・チーム医療関連の資格は薬剤師以外の方も取れる資格です。資格取得により、薬の専門家として質の高い介入が可能になり、多職種からの信頼も厚くなります。

5、公的機関・生涯学習・その他の共通資格

日本薬剤師研修センターは、①研修認定薬剤師、②漢方薬・生薬認定薬剤師、③小児薬物療法認定薬剤師、薬学教育協議会師は薬学生の実習指導に必要な④認定実務実習指導薬剤師を養成しています。

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名称薬剤師
年数
講習研修レポート試験更新
研修認定薬剤師
(日本薬剤師研修センター)
3年
漢方薬・生薬認定薬剤師
(日本薬剤師研修センター)
3年
小児薬物療法認定薬剤師
(日本薬剤師研修センター)
3年
認定実務実習指導薬剤師
(薬学教育協議会)
6年

認定実務実習指導薬剤師の資格は、実習生の受け入れ施設では必須です。資格取得をバックアップしてくれる病院もあります。

まとめ

今回は病院薬剤師が取得できる認定・専門資格についてまとめました。他にもあると思いますが、私の調べでは58種類です。記事を書き終えて、想像を超えるほどの多くの資格に驚くとともに、上位の資格を目指して取り組めていなかった自分に後悔の念を感じています。そうならないように、新人・若手薬剤師の方には将来のビジョンに向かって計画的な資格の取得に取り組んで欲しいと思い、資格取得に向けて意識すべきことを考察しました。

病院薬剤師になったら

まずは① 「研修認定薬剤師等の資格を目指すこと。認定・専門資格の多くは、前提として「研修認定薬剤師」や「日病薬薬学認定薬剤師」など資格取得を求めているからです。就職後はすぐに、日本薬剤師研修センター等が提供する単位を計画的に取得しましょう。仕事を覚えるのも大変な時期ですが、資格取得に向けた土台づくりを並行して進めておくことが大切だと思います。

先を見据えて②臨床現場での記録・症例を残すこと。認定・専門資格は「症例報告」が要件になっているからです。日常業務の学びや、薬学的介入の事例は、メモに残したり、カンファレンス用にまとめ、記録に残す習慣をつけておくと、いざ資格取得に向けて動く時に有利になります。「後になってまとめよう」と思っても、曖昧な記憶を辿ることは難しく、結局諦めるのがオチだと思います(私の経験上)。

③学会発表や論文投稿等に果敢にチャレンジすること。上位の専門薬剤師の資格を目指す上で、必須条件となっているからです。ここは最難関な課題ですね。正直言って、抄録を書いたり、人前で発表することから逃げたくなるのが普通の感情です。「今回は見送って次に頑張ろう」という都合の良い言い訳を重ねても、結局実現しません(私の経験上)。専門資格を手にした自分を想像し、モチベーションを上げて、自分を奮い立たせるしかないですね。周囲の先輩や上司に相談し、サポートを得ながら、活動の実績を積み上げましょう!

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