【新人薬剤師の勉強】効率良く学べる3つの方法を教えます!

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社会人になったのに、勉強するのは大変!
もう、うんざりですよね…^_^

もっと遊びたい!
好きなことに時間を使いたい!

その気持ち、新人薬剤師ならみんな共感できるはずです。

でも、勉強しないわけにもいきません。仕事でヘマしたくないし、先輩に怒られるのも嫌だし、医師にも呆れられたくないからです。患者さんにも頼りにされない、そんな薬剤師人生は送りたくないですよね。

やはり勉強は必要です!

一方で、いくら勉強を頑張りたいと思っても、なかなか上手くいかない人も多いのではないでしょうか。仕事が終わると、ヘトヘトでやる気が出ない日も少なくないからです。社会に出ると、趣味や習い事などで思ったほど勉強時間は確保できません…。

そこで今回は、

プライベートを充実させながらも、
「短時間で効率良く学べる方法」について考察しました。

大きく3つあります。

  1. 日常のスキマ時間を有効に活用する
  2. 耳学問を積極的に取り入れる
  3. 問題志向型の仕事スタイルを取り入れる

順番に見ていきましょう。

目次

日常のスキマ時間を有効に活用する

1日5分だけでいいので、毎日欠かさず勉強しよう!

理由

短時間ならプライベート時間の確保ができるし、また集中力が途切れず効率よく知識を増やせるからです。さらに日々の積み重ねにより、継続性を持たせれば、ゆくゆく大きな成果が生まれます。

勉強時間は長ければ良いとは限りません。1日3時間、気合いを入れて勉強しても、3日坊主だと意味がないし、途中でスマホをいじったり、漫画を手に取ってみたり、音楽に気を取られたりしてると、正味の学習時間は目減りするからです。効率が悪く、時間をかけた分だけの成果は期待できません。

短時間であっても続けることが大事!

たとえば、1日たった5分でも1年間(365日)続けると、1825分(約30時間)を勉強に費やせます。薬剤師ライフは長いので、5年、10年となると、さらに勉強時間が確保できるでしょう。加えて、短時間なら「集中力MAX」の状態で学習が可能です。誘惑を排除して臨めば、最小の時間で最大の学習効果が得られます。

通勤時間やお昼休憩の間で、特に何もせずに過ぎていく時間は誰にでもありますよね。無駄な時間だとは言い切れないですが、ルーチンワークとして勉強に当てれば、チリツモ効果で、翌年には大きな成果として現れます。

じゃあ、どのようにスキマ時間を埋めればいいのか?

おすすめは3つです。

  1. 医療情報サイトで知識のアップデートを図る
  2. 今日の治療薬で、薬効分類ごとの全体像を把握する
  3. 添付文書で1剤ずつ、採用薬の特徴を掴む

医療情報サイトで知識のアップデートを図る

これは必須だと思います。

下記の情報サイトはみんな聞いたことがあるのではないでしょうか?

薬剤師におすすめの医療情報サイト

会員登録すれば、メール配信等で最新の情報を入手できます。自分で検索しなくても、向こうから有用な情報を準備してくれるので、待ってるだけでOK。自分で探す手間と時間が省けます。

中でもおすすめはm3.com

薬剤師が1番登録している、超有名な医療情報サイトだからです。

m3.com:薬剤師にうれしい5つの機能
  1. 最新医療ニュースをまとめてチェック!
  2. 薬剤師限定のコミュニティで意見交換もできる!
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  5. 薬剤師向けの専門家コラムはスキルアップに活用できる!

薬剤師は情報のアップデートが欠かせません。新薬が次々に登場し、新しいエビデンスがどんどん出てくる状況において、古い知識を更新しないと最新の治療法に乗り遅れてしまうからです。油断してると、あっという間に過去に取り残されてしまいます。

「えっ、そんなことも知らないの?」

と、先輩や医師に思われないように、m3.comを活用して常に知識を最新化しておきましょう!

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「今日の治療薬」で、薬効分類ごとに全体像を把握する

続いて2つ目。薬剤師なら一度は目にしたことがある本だと思います。

「今日の治療薬」です。

今日の治療薬2024: 解説と便覧

今日の治療薬:私の活用法

薬効分類ごとに

  • 世の中にある薬をざっと把握する
  • 採用薬を一般名と商品名を一致させながら覚える
  • 初めの数ページで薬の特徴をざっくりと学ぶ

私は新人の頃、時間がある時に適当に開いて眺めていました。じっくり読むというよりは、「どんな薬があるのか?」薬効分類ごとにざっと目を通す感じ。世の中にある薬をざっくりと把握したり、採用薬を(一般名と商品名一致させながら)覚えるのにとても便利です。

働き始めの頃は採用薬を覚えるだけでも大変ですが、汎用薬はある程度、知っておいた方が良いと思います。病院では持参薬として持ち込まれるケースや、調剤薬局でも初めて扱う薬が書かれた処方箋を受け取る場合もあるからです。それに、薬の専門家として幅広い知識が求められていますからね。名前を聞いたら、薬効や適応くらいは答えられる程度でいいので、頭の中に知識を入れておきましょう。

あと、すごく役立つのが薬効分類ごとに用意された「始めの数ページ」。薬の特徴について要点が分かりやすくまとめられており、限られた時間の中で効率的に勉強できます。治療の最新動向や新薬の情報も記載されており、一見の価値ありです。是非、一度読んでみてくださいね。

添付文書を読んで、1つずつ採用薬の特徴を掴む

続いて3つ目は添付文書です。薬剤師にとってのバイブルですね。

「添付文書をもとに薬剤師の仕事が始まる」といっても過言ではありません。処方監査や疑義照会、処方提案、薬効や副作用モニタリングなどは添付文書があってはじめて行えるものだからです。

逆にいうと、内容を熟知すれば仕事の幅が広がり介入起点も増えます。身近でありきたりですが、添付文書は薬剤師にとってすごく大事な勉強ツールなのです。

仮に1日1個の薬剤について目を通すと、1年で365種類の薬について学べます。そう考えると積み重ねってすごいですよね。もちろん、最初の方はだんだん知識が薄れますけどね^ ^

新薬はもちろんですが、普段から目にする薬でも、じっくり読むと新たな発見があったりします。

◯◯という薬は

  • 腎機能によって投与量の調節が必要なのか!
  • 定期的に検査値のモニタリングが必要なのか!
  • 副作用の前駆症状について説明する事項があったのか!

というふうに。ここは面白く感じる部分です。「今度から腎機能を確認しよう」とか「検査値のcheckも加えよう」と、◯◯という薬に対応する薬学的ケアが増えていきます。仕事の質が上がるわけです。もっと詳しく知りたい!部分が出てきたら、インタビューフォームもあわせてチェックするとより理解が深まります。

こんなふうに、1日5分だけでもいいので勉強する習慣を身につけましょう。通勤時間やお昼休みを上手く活用すれば、プライベート時間を削らずに、効率的に勉強できます。

耳学問を積極的に取り入れる

続いて、効率的に学ぶ方法の2つ目。

先輩に質問して教えてもらいましょう

理由

後から自分で一から調べるよりも効率的に知識を増やせるからです。先輩が持っている知識や考え方をすぐに自分のものにできます。

もちろん、何でもかんでも聞いてばかりではダメですよ。「自分で調べてから聞きなさい」とお叱りを受ける可能性もあるからです。耳学問7割、自己学習3割くらいがちょうど良いバランスだと思います。

質問の相手は先輩に限定されるわけではありません。働く環境によりますが、病院では医師や看護師、栄養士さんなど、医療スタッフに囲まれているからです。積極的に質問して、効率的に知識を増やせます。

耳学問とは?
  • 他人から聞いて知識を得ること
  • また、その知識
  • 聞きかじりの学問

引用元 角川最新国語辞典

耳学問のメリットは大きく3つです

  1. その場で知識が増える
  2. 確実に答えに辿り着く
  3. コミュニケーション力も高まる

耳学問は効率(能率)の良さが魅力だと思います。自分で始めから調べるとなると、時間がかかるし、必ずしも答えに辿り着くとは限らないからです。それに、後から調べようと思っていても、結局調べず仕舞いのことも多いですよね。耳学問は一本道で着実にゴール地点に到着できるイメージです。

また、繰り返すうちに、コミュニケーション能力も向上します。「何がわからないのか」疑問を明確にし、相手に分かりやすく伝える必要があるからです。もちろん、聞く力(読解力)も養われます。

でも、耳学問を実践するのは簡単ではない!

耳学問を実践するためには?
  • 質問する勇気が必要!
  • 恥ずかしさを捨てる覚悟が必要!
  • 優れた指導者との出会いも必要!

先輩や医師など目上の人に質問するのは、勇気とプライドを捨てる覚悟が欠かせません。忙しい時に話しかけて怒られたらどうしよう?トンチンカンな質問で、自分の知識不足が露呈してしまったらどうしようとか、考え出すと、いざ質問に踏み切れないからです。特に、学会や研修会など大勢を前にして質問するのはメンタルの強さが要求されます。私自身、尻込みすることも多いです^ ^

でも、ここは割り切ることが大切だと思います。質問を躊躇することは自分の成長を阻むことに他ならないからです。大きな機会損失だと考えて、勇気を出して、恥を忍んで、質問に踏み切る努力が必要だと思います。個人的にはあれこれ考えずに、勢いに任せて、手を挙げるようにしています。脊髄反射みたいな感じですかね。

あと、優れた指導者との出会いも必要だと思います。ここはすごく大事なポイント。相手が後輩の育成に関心がなければ、耳学問の効果は半減するからです。先述のように、自分で調べるように言われたり、答えが返ってきても信憑性にかける可能性もあります。何度か質問して、知識が豊富で信頼できる指導者かどうか見極めることも大切です。

耳学問の活用法

STEP
疑問はそのままにせず質問する
  • 勇気を出して、恥を忍んで、反射的に!
  • 研修会や勉強会などでは絶好のチャンスと捉える
STEP
教えてもらったことは必ずメモにとる
  • 忘れてしまっては意味がないから
  • 文献やエビデンス等もあわせて書いておくと、後から不足の情報を補うこともできます
STEP
仕事でアウトプットする
  • 知り得た知識を自分のものにしよう!
  • 後輩に聞かれたら、教えてあげよう!

こんなふうに、勇気を出して恥を忍んで質問する習慣を身につけましょう。自分で調べるよりも、素早く答えに辿り着き、効率的に勉強できます。

問題志向型の仕事スタイルを取り入れる

続いて、効率的に学ぶ方法の3つ目。

POSを意識して

薬物療法の問題点を抽出解決に取り組みましょう

理由

帰宅後や休みの日に勉強時間を確保しなくても、仕事をしながら効率的に知識を増やせるからです。問題点の把握、解決策検討の度に、多くの学びや気づきがあります。

お給料を頂きながら、勉強もさせてもらう、一石二鳥の仕事スタイルですね。

POSとは?
  • 問題思考型システムの略(problem oriented system:POS)
  • 1968年に米国の医師L.Lweedにより提唱
  • 患者さんの問題点を明確にし、解決するための仕組みや考え方のこと
  • ①情報収集→②問題点の抽出→③解決策の立案→④解決策の実施

POSのメリットは大きく3つです!

  1. 自然と知識が増えていく
  2. 何を勉強しようか悩む必要もない
  3. 処方提案力が高まる

この患者さんにおける薬物療法の問題点は何か?」を意識すると、知識が自然と増えていきます。問題点の抽出は、学びのきっかけそのものだからです。そして「解決策はどうすれば良いか」を添付文書やインタビューフォーム、参考書ガイドライン等を調べて答えを導く過程で、知識を習得し、臨床力が養われていきます。

それから、「何を勉強しようか」あれこれ悩む必要もありません。患者さんの問題点を解決できる方法こそが、学ぶべき対象だからです。日々のクリニカルクエスチョンを解いていくことに集中できます。

あと、処方提案も得意になります。いろんな選択肢を検討して、最適なものを選び抜く、その過程で処方提案力が磨かれるからです。処方提案力は薬剤師の仕事を患者さんに届けるために欠かせないので、新人の頃から鍛えておいた方が良いと思います。別記事で詳しく解説しているのであわせてご覧くださいね。

POS活用の例

STEP
まずは、患者さんの情報を集める

手術前に介入を行う場面

  • △△歳、女性
  • 変形性膝関節症で整形外科通院中
  • ◯月△日、人工関節置換術を受ける予定
  • 胃潰瘍の既往あり
  • 手術後に痛み止めNSAIDs(ロキソプロフェン)の指示あり
STEP
次に、薬物療法の問題点を抽出
  • NSAIDsは胃潰瘍の既往がある人は慎重投与
  • 消化性潰瘍が再発する可能性あり!
  • 一方で、疼痛管理が不十分だとリハビリが進まない
STEP
続いて、解決策の検討

ロキソプロフェンの処方

  • COX-2選択的阻害薬に変更する
  • プロトンポンプ阻害薬を併用する
  • アセトアミノフェンへ変更する

「消化性潰瘍のリスク低減」と「疼痛管理の必要性」を考えて、目の前の患者さんにとって最良の方法を選び抜きます(併用薬や嚥下機能、アドヒアランス等も考慮して)

STEP
最後に、解決策の実施
  • 処方提案を実施
  • 副作用モニタリングを強化する

服薬後のフォローも大切ですよね。

こんなふうに、薬物療法の問題点を常に意識して、解決策を検討する習慣を身につけましょう。休日や仕事終わりにわざわざ時間を用意しなくても、仕事中に効率的に勉強できます。

まとめ

今回は、プライベートを充実させながらも、効率良く学べる勉強法について考察しました。

結論

「①毎日少しずつ」「②周囲の力も借りる」「③問題点の解決に取り組む」

この3つのキーワードを実践すれば、効率よく勉強できると思います。

本記事のポイント
  1. 日常のスキマ時間を有効に活用する
    1日5分だけでいいので、毎日欠かさず勉強しよう!」
  2. 耳学問を積極的に取り入れる
    先輩に質問して教えてもらおう!」
  3. 問題志向型の仕事スタイルを取り入れる
    「薬物療法の問題点を抽出、解決に取り組もう!」

いきなり全部を始めるのは無理があります!耳学問とPOSはそこそこハードルが高いからです。コミュニケーションスキルやある程度の臨床学的知識が必要になります。だから、意識して少しずつ取り入れていくのがおすすめです。

まずは、日常のスキマ時間を利用して、「毎日少しずつ」コツコツと続ける習慣を身につけましょう。

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