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患者満足度を上げる服薬指導とは?【5つの視点から考察・新人薬剤師向け】

「患者満足度」を意識していますか?

私は病院勤務の薬剤師です。カンファレンスの時に仕事のあり方について、議論することも多いですが、同僚が「患者満足度」という言葉を使って、熱く語っている場面に出くわしたことはありません。

もちろん、「患者さんのため」を思って、一生懸命に取り組んでいるわけですが、きちんと成果が得られているのか、その評価にこだわる人は少ない印象です。(自己満足に終わっていない…?)

一方で、企業はお客様満足度にとことん、こだわります。NO.1の称号は自社の優位性を示すアピールポイントになるからです。

同じように、私たちはもっと、「患者(お客様)満足度」を追求したほうが良いと思います。病院や薬局の評判が良くなり収益アップが期待できることに加えて、薬剤師のスキルアップ、パフォーマンスの向上にもつながると思うからです。

今回は「患者満足度を上げる服薬指導」について考察しました。特に、薬学生や新人薬剤師の方が服薬指導に行くときに意識して欲しいです^_^

薬剤師が求める患者満足度とは?

そもそも、患者満足度とは何か?

「患者さんが薬剤師の仕事に好印象を持ってくれること」

ですね。アンケート調査で、5段階評価の4や5をもらえるイメージです。

実は当院でも、病院が行なっているアンケートに薬剤師の項目があります。

  • 説明内容がわかりやすいか
  • 言葉遣いは丁寧であるか

…など。

結果はどうか?

そんなに悪くありません。5段階で3と4が多く、ときどき5があったりです。ただし、気になるのは

ノーコメント(記載なし)

なんと、アンケート全体の3割程度あります。まだまだ、薬剤師の仕事が認知されておらず、好印象どころか記憶にも残せていないのが現状です(´・_・`)

これはなんとかしなければ!

では、患者満足度を上げるためには、どうすればいいのか?下記5つの視点から、実践すべき服薬指導の方法を考察したので共有します。

  1. 身だしなみ
  2. 言葉遣い、態度
  3. 頼りになる知識、スキル
  4. 説明のわかりやすさ
  5. 質問や相談のしやすさ

順番に見ていきましょう。

①身だしなみ

やはり第一印象が大事ですね。

人は見た目が9割!?

っていうタイトルの本が話題になったような気がします。賛否両論ありますが、服薬指導の場面においても見た目を重視すべきと思います。

なぜなら、患者さんは薬剤師のことを外見だけで判断せざるを得ないからです。もちろん、継続して関わっている場合は、どんな人柄なのかある程度はわかりますが、初対面で内面なんてすぐにはわかりません。

実力のある薬剤師であっても、見た目がだらしなかったら、それだけで印象が悪くなります。もったいない…。

となると、中身が大事ですが、それにも増して外観が重要だと思います。まずは、第一印象からですね。

身だしなみのチェック項目は?

病院の接遇委員会では以下のような項目があります。

  • 髪…茶色過ぎない、寝癖がついていない、目に前髪がかかってない
  • 爪…伸びていない
  • 白衣…汚れがない、シワがない、清潔である
  • 靴…汚れがない
  • 装飾品…ネクタイのゆがみ、アクセサリーが目立ちすぎ
  • ポケット…物の詰め込みすぎ
  • 靴下の色…派手なものではない

いかがでしょうか?

よく考えてみると、当たり前の内容です。茶髪で白衣がしわしわで、だらしない姿で登場されたら、患者さんは不快な気持ちになりますよね。

中でも、白衣のポケットが盲点ではないでしょうか。薬剤師は業務の必需品が沢山あり、ポケットに入れて持ち歩くのが普通だからです。以下のように色々と入ってますよね。

  • ボールペン
  • マジックペン
  • 医薬品ポケットガイド
  • ハサミ
  • メモ帳
  • 電卓
  • 院内PHS
  • スマホ(情報収集のため)

ポケットがパンパンになってるのは印象がよくありません。見た目に不恰好だし、だらしない印象を与えるからです。携帯品は必要最小限とし、コンパクトな物を用意するなど、工夫が必要ですね。

あとは、可愛いマスコット付きのボールペン。賛否両論ありますが、目立ちすぎるのは避けた方が良いかも知れません。

身だしなみ(第一印象)は患者満足度に大きな影響を与えます。仕事前に、鏡の前に立って、不快な印象を与えないかどうか、確認を行う習慣が大切ですね。

身だしなみを整える薬剤師側のメリット

大きく2つあります。

  1. パフォーマンスが上がる
  2. 集中力が維持できる

身だしなみを整えると①薬剤師のパフォーマンスも上がります。新しい服を着たり、お気に入りの靴を履いた時に、気合いが入り気持ちが高鳴る感覚です。服薬説明にも熱が入ると思います(^_^)

さらに②集中力の途切れを防ぐこともできます。仕事の合間に、身だしなみを整えると、気持ち(疲れ)がリセットされる効果が期待できるからです。一息ついて仕切り直し、集中力も続くはずです!

身だしなみを整えるのは、患者さんのためですが、薬剤師も気持ちをコントロールして、パフォーマンスを上げる効果が期待できます

②言葉遣い、態度

これも基本中のキホンですね。

接遇的には、丁寧語、尊敬語、謙譲語を使います。

  • 丁寧語…「~です、~ます」
  • 尊敬語…相手を敬う言葉「~なさる」
  • 謙譲語…自分がへりくだる言葉「~いたす、させて頂く」

また、患者さんに寄り添う態度も大事です。服薬指導は患者さんの目線に合わせて行う、これは大学で習った記憶があります。

私が気をつけているポイントは2つです。

  1. 傾聴
  2. 距離感

①患者さんの話に耳を傾ける!

患者さんの話をよく聞くことが大事ですね。話を聞いてくれないと思われた時点で、満足度は下がります。傾聴は大事です。だけど簡単ではありません。限られた時間で仕事を回さないといけないからです。他にも患者さんが待っています。

そんな時はどうすれば?個人的には、時間が限られていることをきちんと説明し、余裕のある時間に改めて機会を設けるようにしています。

一方で、仕事と直接関係がないことを永遠と喋り出す患者さん、時々いますよね。話を切るタイミング、方法が難しい…笑

②患者さんとの心地よい距離感は?

続いて、患者さんとの距離感。薬剤師の寄り添い方は2パターンあります。

  1. 薬剤師と患者さんの関係(普通の距離感)
  2. 身内同士、ご近所さんのような関係(かなり距離が近い)

あなたはどちらですか?

私は①の距離感を保っています。おそらく50cmから1mくらいです。丁寧な言葉で話します。

一方で②のスタイル。これは羨ましく思う時があります。

「◯◯さん、元気?、薬ちゃんと飲んでる?、変わりない?」って感じで、懐にスッと入っていき、自然に患者さんの肩をタッチしたり、背中を撫でたりと。周囲にいますよね。

どちらがいいのか?

どちらもOK。ただし、「不快に思われない」という条件付きです。

結局、使い分けが大切だと思います。患者さんごとに好印象を与える方法を選択する形ですね。

それが難しいなら①が無難だと思います。

患者満足度を上げるためには、丁寧な言葉遣いと、心地よい距離感が欠かせません。服薬指導の際に意識したいですね

③説明のわかりやすさ

これは新人の頃から意識しておきたいです。

ポイントは大きく2つあります。

  1. 言い換え力
  2. 説明力

①わかりやすい言葉を使う!

当たり前ですが、専門用語は使ってはいけません。患者さんにはわからないからです。理解が得られる言葉に言い換える必要があります。

じゃあ、わかりやすい言葉とは何か?

実はこれという正解はありません。患者さんの理解度によって様々だからです。

たとえば、抗不整脈薬の薬効説明を考えてみましょう。

  1. 不整脈の薬
  2. 心臓の薬
  3. 脈(心拍)のリズムを整える薬
  4. 胸のドキドキを抑える薬

上記4パターンです。①から④になるにつれて、言葉を噛み砕いてわかりやすくしました。

どれがいいのか?

結局は患者さんの理解度に合わせることが大事です。

私は②や③を使うことが多いですけど、実際に症状のある人なら④の方がピンと来るかも知れません。一方で、医療者なら①でもわかります。要するに、使い分けですね。

②説明力とは?

続いて説明力も欠かせません。

どういうことか?ポイントは3つです。

  1. 結論は先に、理由で補強する!
  2. 概要を示してから、具体的に説明する!
  3. あれもこれも言わない、ポイントを絞って伝える!

①はわかりやすい説明の基本です。1番伝えたいことを最初に話します。

たとえば、

  • (結論)「低血糖時にはブドウ糖を取ってください」
  • (理由)「ボグリボースを飲んでると、砂糖だと吸収が遅くなるので」

という具合に。

②は吸入指導とかで役立ちます。手順書を順番に説明するよりも、まず大枠を話しましょう。

たとえば、

「吸入手技は3つのステップです。⒈準備、⒉吸入、⒊後片付けです、それぞれ詳しく説明しますね」というふうに。

手順書を見せて、最初から順番に詳細に説明を行う新人薬剤師を前に、首を傾げる患者さん、よくある光景ではないでしょうか。

③は特に薬が多い場合に有効だと思います。情報を増やせば増やすほど、理解が難しくなるからです。要点のピックアップが大事ですね。

詳しくは別記事にまとめているので、ご確認くださいませ。

薬剤師も説明力が必要!日常業務で使えるテクニックを解説!自分の意見や考え方を、相手にわかりやすく伝える。 ・説明力は、ビジネスにおいて、なくてはならないスキルのひとつ。薬剤師も服薬指...

患者さんの満足度を上げるためには、わかりやすい言葉の選択と説明力が欠かせません。日常業務で意識しましょう

④頼りになる知識、スキル

これは、中級者向けですね。

新人の頃は難しいと思います。やはり知識と経験が必要ですからね。

頼りになる知識とスキルとは何か?

私は、問題解決能力(=処方提案力)だと思います。

薬物療法の問題点を見つけて、解決できるスキルのことです。どんなに身だしなみが良くて、言葉遣い、態度に好感が持てても、薬物療法の問題点を解決できないようでは、患者満足度は頭打ちどころか、確実に下がります。

問題解決力を高めるためには?

豊富な知識に加えて、目の前の患者さんにとって最適な選択肢(解決方法)を選び抜くスキルが必要だと思います。詳しくは下記にまとめていますので、読んでいただけたら幸いです♪

処方提案力は2つの要素からなる、できる薬剤師はココが違う! 今回のテーマは処方提案力! 処方提案力が高い人の方が、より優れた処方を医師に提案できます。患者さんが抱える薬物療法の問題点を解決...

患者満足度を上げるためには、頼りになる知識とスキルが欠かせません。薬物療法の問題点を見つけ、処方提案を通して薬剤師の仕事を患者さんに届けていくうちに、自然と養われます。日々の積み重ねと努力に尽きますね。

⑤質問や相談のしやすさ

これは、信頼関係の構築が欠かせません。悩みを打ち明けたり、気軽に相談できるのは誰でもいいわけではないからです。

◯◯さんの担当薬剤師って、周りにいませんか?

まさにアレです。

かかりつけ薬剤師、病棟担当薬剤師などの関係なしに、特定の患者さんからいつも指名される人です。ある意味ファンですね。

ではどうしたら、信頼関係を築けるのか?

患者さんのことを第一に考えて行動していれば、後からついてくるものだと思います。もちろん、相性みたいなものもありますが…。

イメージとして、⑤質問や相談のしやすさは、これまでに説明した4項目の集大成です。その分、難易度が高いし、信頼関係の構築までに時間がかかります。粘り強く関わることが大切です。

患者満足度を上げるためには、質問や相談のしやすい関係を築くことが不可欠だと思います。まずは、「気軽に相談してくださいね」を付け加えるところから始めて見てはどうでしょうか。指名が多い人気薬剤師になるための布石と信じて…^ ^

まとめ

今回は、「患者満足度を上げる服薬指導の方法」について考察しました。

ポイントと難易度は下記です。

患者満足度・5つのポイント
  1. 身だしなみ…★
    →集中力とパフォーマンスUPの効果も!
  2. 言葉遣い、態度…★★
    →傾聴と距離感を大切に
  3. 説明のわかりやすさ…★★★
    →言い換え力と説明力を伸ばそう
  4. 頼りになる知識、スキル…★★★★
    →問題解決力を高めよう
  5. 質問や相談のしやすさ…★★★★★
    →信頼関係の構築を!

①と②はすぐにでも取り組めますね。③は説明時に意識することが大事です。④は日々の積み重ねが欠かせません。⑤は①~④の成果だといえます。

私の評価は以下です。自己評価高め?^_^

身だしなみ
言葉遣い、態度
説明のわかりやすさ
頼りになる知識、スキル
質問や相談のしやすさ

オール5を目指して頑張らないといけないですね。皆さんも自己評価してみてはいかがでしょうか?5つの項目は、薬学生や新人薬剤師さんの服薬指導達成度評価とかに使ってみると面白いかも♪

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