スキルアップ

服薬指導で指導薬剤師の評価が下がらない方法【新人も上司も必見!】

「指導薬剤師にコンコンとお説教される新人薬剤師の姿」

よく見る光景ではないでしょうか?

もちろん、私も経験がありますし、新人の頃はみんな一度は通る道ですよね(^_^;)

服薬指導に慣れるまでは、先輩が後ろについてきて、アレコレと注文をつけてきます。Go signが出るまでは、ダメ出し、反省、ダメ出し、反省の繰り返し。新人に向けて放たれる言葉はだいたい決まってます。

  • 「説明内容が分かりにくい」
  • 「専門用語を使い過ぎ」
  • 「知識不足がある」
  • 「コミュニケーションがとれていない」

…などなど、ほかにも色々ありますよね。

このやりとりを否定するつもりはありません。仕事を覚えるための通過点だし、成長につながるチャンスだと捉えることもできるから。また、先輩と後輩の信頼関係が築かれる大切な機会であるともいえます。

しかし、毎日のように繰り返されたり、指導に熱が入り過ぎると、逆効果です。だんだん薬局内の空気が重くなり、次第に新人のやる気が失われ、最悪の場合には辞めてしまう事態へと発展しかねません。

お互いにとって、それだけは避けたい…ですよね。

指導薬剤師

どうしてできないの?(早く一人前になって欲しいのに…)

新人薬剤師

すいません(わかってるけど、なかなか先輩のように出来ないのです…)

日常の光景をそばで見ながら、ふと思いついたのが

「指導薬剤師の評価が下がらない方法」

簡単に言うと「まあまあ」という印象に落ち着くための方法です。

アンケート調査の5段階評価で、3〜3.5くらいのイメージ。基本的に評価が上がるものではないので、その点はご留意いただいた上で読み進めて頂けたらと思います。

なぜ、指導薬剤師の評価が下がるのか?

答えは簡単ですよね。

「新人の服薬指導が上手くないから」

確かにそうなんですけど、実は指導する側や双方にとっての原因もあるのではないかと感じています。

解決策を導くために以下の3つに分けて考察しますね。

  1. 新人薬剤師の原因
  2. 指導薬剤師の原因
  3. 双方にとっての原因

①新人薬剤師側の原因

いくつか挙げられます。

  • 薬や病態の知識不足
  • コミュニケーション能力の低さ
  • 社会人としての自覚
  • 言葉遣い

…など。新人にありがちな要因ですね。作者も薬剤師になりたての頃に、先輩から一通りご指導を頂いた記憶があります(^_^;)

上記原因を眺めて思うのは、簡単には改善できないものばかりである点。

知識不足やコミュニケーションスキルの低さは、解消されるまでに長い年月がかかります。「もっと勉強しないと」「コミュ力を身につけるように」と言ったところで、すぐに変えられないからです。

では、社会人としての自覚や責任性、言葉遣いはどうでしょうか?意識改革ができれば、比較的早く変化が現れる部分ですが、劇的に変わるかというと、なかなか難しいところですよね。

このように、指導薬剤師の評価が下がる新人薬剤師側の原因は、今すぐに改善できないものがほとんどです。ここは本人の頑張りに任せるしかないですね。

②指導薬剤師側の原因

新人と同様にいくつか思い当たります。

  • 評価が厳しい
  • 人を褒めるのに抵抗がある
  • 人間関係(相性の問題)

…など、ですかね。もちろん、自分に当てはまるものもあります(^_^;)

当然ながら、評価が厳しいことが悪いわけでは決してありません。「きびしい優しさ」というのは、新人にとって長い目で見たら絶対プラスに働くはずだからです。甘やかせてばかりでは後輩のためになりませんよね。

一方で、厳しすぎるのはどうかと思います。いわゆるスパルタ教育!?後輩の心が折れてしまっては本松転倒です。

それに指導薬剤師もひとりの人間。人間関係や相性が評価に影響することもあります。褒めたくても、気持ちが邪魔するときもあるかも知れません。その日の気分次第というのもあったり…?流石にないか笑。

このように評価が下がるのは指導者側にも問題があり、新人側と同様に簡単に改善できないものばかりです。むしろ、こっちの方が簡単に変えられません。長い年月を経て備わった性質なので、多分無理…。

では、指導薬剤師の評価を下げないためにはどうすればいいのか?注目したのは、「双方にとっての原因」です。

③双方にとっての原因

「服薬指導の目的を共有できていないこと」

今回のテーマです。日常のやりとりを見ながらコレだと確信しました。

一体何のために服薬指導を行うのか?ここが共有できてないから、結果的に指導薬剤師の評価が下がると思います。

ではなぜ、服薬指導の目的が共有できていないと評価が下がるのか、①新人薬剤師と②指導薬剤師に分けて、理由を深掘りしますね。

①新人薬剤師は服薬指導の目的を誤解している!?

「服薬指導」は「薬の説明を行うこと」だと考えている新人薬剤師が多い印象です。これは半分正しくて半分間違っています。なぜなら、薬の説明を行うこと自体は方法に過ぎず、目的は別にあるからです。

たとえば、COPDの急性増悪で入院された患者様に、新しい吸入薬が処方されました。すると、新人薬剤師は説明書きをもって患者さんの元に行き、一生懸命に吸入薬の使い方を指導します。

普通の流れですよね。

吸入薬の使い方を説明すること自体は間違っていません。指導薬剤師だって同様に薬の説明を行うからです。

しかし、違うのは患者さんが理解できたか、その成果を目的としているかどうかです。

新人薬剤師は薬の説明をうまくやることばかり考えすぎだと思います。患者さんが理解できたかどうかにはあまり関心がないのか、一通りの説明が終われば、適当な挨拶をして指導を終える傾向があるからです。

一方で、ベテラン薬剤師は患者さんの理解度にこだわります。服薬指導の目的は「患者さんが吸入手技を理解すること」だと分かっているからです。

このように、服薬指導の目的に齟齬がある状況では、新人がいくら流暢に説明できたとしても、目的が達成されない限り、指導薬剤師のダメ出しが待っています。

  • 何のために服薬指導を行うのか?
  • どんな成果を患者さんにもたらしたいのか?

を考えないと、いつまで経っても「服薬指導=薬の説明」から脱却できず、指導薬剤師から「全然わかっていない」という烙印を押される日々は続きます。

②指導薬剤師は指導の目的以外にアレコレ言い過ぎ!?

目的の達成度にとどまらず、全体的な感想を織り混ぜてイロイロと注文をつける指導薬剤師がいます。自分も含めてですよ(^_^;)

コレは避けた方がいいと思います。たとえば、先ほどの吸入指導で考えてみましょう。

新人薬剤師が一生懸命がんばって吸入薬の説明を終えました。年齢の割に理解が良く、内心ガッツポーズの新人。先輩からは「まあまあ、良かったよ」と褒められたと思いきや、下記の言葉が続きます。

  • 声が小さかった
  • 話す速度が早すぎた
  • 急に専門用語が登場した
  • 患者さん目線ではなかった
  • 言葉遣いでマズいとこがあった
  • 説明がわかりにくい箇所があった

とか、もう思いついたことを一から十まですべてをフィードバック!

こんな風だと、新人が印象に残るのは、おそらくダメ出しの部分だけです。せっかく目的を達成できても「また、上手くいかなかった」と受け止められてしまいます。

挙げ句の果てに、自分のやり方と比較して「ココが良くない」「改善した方がいい」と助言のように見せかけて追撃することも。ベテランと比較されて、評価が上がる新人なんて基本的におりません…。

服薬指導の目的を共有できていないと、指導薬剤師は評価が定まらずアレコレ言ってしまう確率が高くなります。気をつけたい…ですね。

双方にとっての原因は今すぐに改善できます。意識を変えるだけで速効性が期待できるからです。ここからは「指導薬剤師の評価が下がらない方法」を解説します。もう答えがわかってしまった(^_^;)

指導薬剤師の評価が下がらない方法とは?

あらためまして、

「服薬指導の目的を共有すること」

一体何のために服薬指導を行うのか?両者で共有しておくことが、最終的には「指導薬剤師の評価が下がらない」ことと結びつきます。

なぜなら、指導者は評価が定まるし、新人は患者さんの成果にコミットできる方法で服薬指導を行うようになるからです。

服薬指導の目的といってもピンとこない方は、下記をご覧くださいね。

そもそも、服薬指導の目的は?

薬の種類や患者さんの病態によって変わります。たとえば下記です。

  • 抗凝固薬や抗血小板薬の説明により、服薬アドヒアランスを上げる
  • 手術後の疼痛評価により、苦痛を和らげる
  • 抗がん剤の副作用対策により、QOLをよくする

服薬指導の目的を考える時のポイントは“患者さんにとっての成果“を意識すること。新人の頃から考える習慣を身につけておくと、自然とできるようになります。

では、服薬指導の目的を共有(または意識)すると、どのようなメリットがあるのか?新人薬剤師と指導薬剤師に分けて具体的に見ていきます。

新人薬剤師が実践すべき3つの理由

①患者さんを見るようになる

ココが一番推したい理由です。患者さんを見ないで、聞き取り内容をメモした用紙から目を離さずに一方的に話し続ける新人が多い印象があるので…。

服薬指導の目的を意識すれば、自然と患者さんが気になります。目的が達成できたかどうかは、患者さんを見ないとわからないからです。

たとえば、心房細動で抗凝固薬を飲んでいる場合で考えてみます。「飲み忘れたらダメですよ、脳塞栓症の予防に必要だから」という服薬の重要性を一方的に伝えるだけでは目的が達成されたかどうか、わかりません。

もしかすると、聞いてるフリだけかも知れないし、実は頭の中で誤った解釈をしてるかも知れないからです。普通によくありますからね…。

目的の達成度はどうやって評価するのか?

患者さんの表情や言動からですよね。説明中に注意深く確認したり、質問を繰り返しながら、読み取ることができます。上手く説明しようと紙ばっかりに気を取られて、理解度のサインを無視したり、見逃すのは避けたいですよね。

服薬指導の目的を意識すると、「メモ用紙を見ながら」→「患者さんを見ながら」へ指導スタイルが変わります。

メモ用紙を見るのは最小限に患者さんの表情と言動に注目しましょう!

②服薬指導のスキルも上がる

服薬指導が得意になります。目的達成に必要な「方法」が充実するからです。

基本的に服薬指導は以下の形をとります。

「方法」→「目的」

たとえば、自己注射薬の服薬指導では、手技を正しく理解してもらうことが目的。そのためのリーフレットなどを用いた説明が方法というわけです。

服薬指導の目的を意識すればするほど、方法の重要性に気づき、中身が充実していきます。

わかりやすく説明するためのテクニックを磨いたり、パンフレットやDVDなど資材をフル活用したり、場合によっては手作りの説明書を用意したりと。患者さんの理解度に合わせて、方法のバリエーションが増えてくるのです。

服薬指導の目的を意識するだけで、説明方法が充実します。自然とスキルアップできる感じですね。

③服薬指導が楽しくなる

目的の達成が思いのままにできるようになれば、服薬指導が楽しくなります。患者さんにいい影響を与えるたびにやりがいを感じるし、成功体験が得られたらモチベーションがグッと上がるからです。

「薬剤師としてもっと成長したい!」

そう思えたらこっちのもの。好きこそものの上手なれですね。

後は自然に、薬の知識を増やしたり、病態の理解を深めたり、わかりやすい説明の仕方を追求したりと、前向きに自己学習に取り組むようになります。

まずは、服薬指導の目的を意識する、そして成功体験をゲットする、じゃあ仕事が楽しくなってくる、後は放っておいても薬剤師として成長していく、そんな好循環が待っているはずです♪

指導薬剤師が得られる3つのメリット

①評価とアドバイスを区別できる

服薬指導の目的を共有すれば、カリスマ指導者(笑)への道が開かれます。以下のように評価とアドバイスを使い分けて、新人薬剤師の成長を促すことができるからです。

  • 評価…目的を達成できたかどうか(自分と比べない)
  • アドバイス…次のステップにつながる助言(自分と比べて

「評価は厳しく、アドバイスは優しく」

コレがいいのではないかと思っています。

本記事では「評価が下がらない方法」がテーマであるものの、評価を甘くすることを勧めているわけではありません。薬剤師として服薬指導の目的が達成できてないと判断したら、修正点を厳しく伝えるべきです。

一方で、あれこれ注文をつけすぎるのはどうかと思います。新人薬剤師の性格、打たれ強さにもよりますが、やる気をなくしたり、心が折れてしまっては元も子もありません。

いい感じにモチベーションを高めてあげるのも指導薬剤師の役割かと思います。飴とムチのバランスが大切ですね。

②自分の成長にもつながる

新人はもちろん指導薬剤師もスキルが上がります。一緒に服薬指導の目的を考え共有する過程で、必ずと言っていいほど、学びや発見があるからです。

服薬指導の目的は一つとは限りません。目の前の患者さんにとってどれを目的とすべきか、新人薬剤師にヒントを与えたり、軌道修正を図るときに、新しい知識や考え方がアップデートされていきます。

それにベテラン薬剤師といえども、苦手分野は当然ありますよね。スーパーマンみたいにすべての領域をマスターした人はおりません。

「でも、カッコよく振る舞いたい!」

きっとみんな持っているはず。指導の前に隠れてコソコソ知識を補う指導薬剤師は多いのではないでしょうか笑。

服薬指導の目的を共有すれば、新人の成長を支えながら、自分も成長できます。まさに一石二鳥ですよね。

③薬学的ケアの質を均一にできる

職場において薬学的ケアの質のばらつきを減らせます。服薬指導の目的を共有する過程は、知識や技能の均一化を図る効果も期待できるからです。

服薬指導は基本的に個で行うものですが、1人の患者さんを1人の薬剤師がいつもフォローできるわけではありません。チームワークを必要とする場面は多く、対応する薬剤師間の仕事の質はほぼ同じであることが求められます。

「誰が対応しても、薬学的ケアの質が変わらない」

コレが理想ですよね。じゃないと、自分が不在の時に新人に安心して仕事を任せることができません。休みの日に出勤を余儀なくされる…(>_<)

日常的に服薬指導の目的を共有することは、職場全体のレベルアップにより、患者ケアの向上と質の均一化が図れます。まずは定期的なカンファレンスから始めてみてはどうでしょうか。

まとめ

今回は、指導薬剤師の評価が下がらない方法について考察しました。

  • 服薬指導の目的が達成できれば、下手な説明であってもいい!
  • 目的が達成されたら、やり方はどうであれ、褒めてあげて欲しい!

ここが一番伝えたい部分です。

新人薬剤師を一人前に成長させるためには、いかに指導薬剤師と良好な関係を築けるかに、かかっている部分があります。

でも、コレが難しい……。

新人に早く一人前になって欲しくて、ヒートアップする指導薬剤師と、先輩の期待に応えたいのに、上手くいかず自信を無くしていく新人薬剤師という構図

何とかしたくて、この記事を書きました。

「まあまあ」の評価から、「素晴らしい」の評価をもらって、独り立ちしていく新人薬剤師の助けになれたら嬉しいです。伝えたいことをまとめながら、人材の育成は相互の関係が本当に大切だと感じました♪

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