循環器系薬

【尿酸生成阻害薬】フェブリクとウリアデックの違いは?

フェブリクとウリアデックって何が違うの?

今回のテーマです。どちらも尿酸生成阻害薬ですね。

類似薬のアロプリノールに比べると、なんとなく違いがイメージできるけど、この2つはかなり性質が似ているように思える!

でもよく見ると微妙な違いもあります。

一体何がどう違うのか?相違点に注目して、それぞれの特徴をクリアにしていきます。

フェブリクとウリアデック:基本情報

はじめに、基本情報を確認です。

製品名 フェブリク ウリアデック
トピロリック
一般名 フェブキソスタット トピロキソスタット
販売日 2011年5月 2013年9月
規格 10,20,40mg 20,40,60mg
適応 ①痛風,高尿酸血症
②がん化学療法に伴う高尿酸血症
痛風,高尿酸血症
用法用量 ①開始10mg×1、維持40mg(MAX60mg)
②60mg×1
①開始20mg×2、維持60mg×2(MAX80mg×2)
禁忌 メルカプトプリン,アザチオプリン投与中 メルカプトプリン,アザチオプリン投与中
代謝 グルクロン酸抱合 グルクロン酸抱合
排泄 尿中と糞中 尿中と糞中

相違点の前に、共通点を押さえておきます。アロプリノールと比較するとわかりやすいので合わせて説明しますね。

ポイントは大きく3つです。

  1. 尿酸生成阻害薬に分類
  2. 併用禁忌が共通
  3. 代謝と排泄はほぼ同じ

1)尿酸生成阻害薬に分類

尿酸降下薬は尿酸排泄促進薬と尿酸生成阻害薬、大きく2つに分かれます。

フェブリクやウリアデックは尿酸生成阻害薬です。アロプリノールもですね。いずれもプリン体の最終代謝物である尿酸の生成を妨げます。

プリン体はDNAやRNAなどの核酸やATPなどのエネルギー物質を構成する成分で、おもに肝臓で分解されて一時的に体内にプールされたあと、尿や便として排泄されます。

キサンチンオキシダーゼ(XOD)が標的!

フェブリクとウリアデックはXODを阻害して、尿酸の生成を妨げます。

XODはプリン体が酸化されて尿酸へと代謝される過程で働く酵素です。下記の流れで反応が進みます。

プリン体→ヒポキサンチン→(XOD)→キサンチン→(XOD)→尿酸

プリン体骨格ではない!

フェブリクとウリアデックはどちらも非プリン体骨格です。一方、アロプリノールはプリン体骨格を有します。

  • フェブリクとウリアデック…非プリン体骨格
  • アロプリノール…プリン体骨格

構造の違いによって作用機序が異なります。

非プリン体→XODを非競合的に阻害する

まずはアロプリノールの機序からおさらいです。

プリン体骨格のアロプリノールとその代謝物であるオキシプリノールはXODを競合的に阻害します。尿酸と化学構造式が類似するため、お互いがXODをとりあう形ですね。

一方で、非プリン体骨格を有するフェブリクとウリアデックは、非競合的にXODを阻害します。XODにくっついて活性を妨げるのが機序です。

実は両者も微妙に作用のしかたが違います。後述しますね。

2)併用禁忌が共通

アザチオプリンとメルカプトプリンが禁忌

フェブリクとウリアデックはアザチオプリン(AZT)とその代謝物であるメルカプトプリン(6-MP)と併用禁忌です。

臓器移植や潰瘍性大腸炎、クローン病など炎症性腸疾患で使用される免疫抑制剤ですね。

製品名は下記です。

  • アザチオプリン…アザニン、イムラン
  • メルカプトプリン…ロイケリン

併用により血中濃度が上昇→副作用のリスクが上がる

副作用の危険性が高まります。AZTや6-MPはXODで代謝されるためです。

併用に伴う血中濃度上昇により、致死的となりうるので相互作用のチェックが欠かせません。

ちなみに、アロプリノールの方は併用注意です。AZT、6-MPの投与量を減量して使用します。同じXOD阻害薬なのに対応が違うわけですね。

3)代謝と排泄はほぼ同じ

肝臓でグルクロン酸抱合をうける

フェブリクとウリアデックは肝臓で代謝され、おもにグルクロン酸抱合を受けます。

薬物代謝酵素CYPの阻害作用はほどんどなく、注意すべきCYPを介した相互作用もありません。

代謝物も含めて尿中と糞中にバランスよく排泄されます。

  • フェブリク
    …尿中49.1%、糞中44.9%
  • ウリアデック
    …尿中76.8%、糞中26.1%

※各添付文書参照(※外国人データ)

ちなみにアロプリノールは腎排泄型の製剤です。代謝物も含めて尿中が主な排泄経路になります。

尿中未変化体の排泄率は数%と低い

フェブリクとウリアデックはある程度尿中に排泄されますが、未変化体の割合は数%とわずかです。しかも代謝物に活性がありません。

そのため、腎機能が悪い人でも、血中濃度上昇に伴う副作用のリスクが低いとされています。

  • フェブリク…尿中未変化体排泄率2〜4%
  • ウリアデック… 尿中未変化体排泄率0.1%未満

※各添付文書参照(健康成人データ)

軽〜中等度の腎機能障害の場合には、減量の必要はありません。共通のメリットですね。

一方で、アロプリノールは代謝物(オキシプリノール)も含め大部分が尿中に排泄されるので、腎機能に合わせた投与設計が不可欠です。

フェブリクとウリアデック:相違点

ここからは、ほぼ同じ位置付けと考えられるフェブリクとウリアデックの相違点を見ていきます。

最初に言っておきますけど、大きくは変わりませんので、がっかりしないでくださいね^ ^。

1)作用機序の違い

いずれもキサンチンオキシダーゼを阻害しますが、結合様式が異なります。

XODへの結合様式:尿酸生成阻害薬の比較

以下の3パターンです。アロプリノールも合わせて押さえておきます。

  • アロプリノール…モリブデン(Ⅳ価)に結合…①
  • フェブリク→基質結合部位の複数のアミノ酸に結合…②
  • ウリアデック→①+②

アロプリノールはXOD活性中心であるモリブデンに共有結合して阻害作用を示します。

XODへの結合様式:フェブリクとウリアデックの違い

フェブリクはXODの結合ポケットに入り込んで、複数のアミノ酸と水素結合を介して阻害活性を示します。

一方で、ウリアデックは両者(アロプリノールとフェブリク)を組み合わせたものです。ハイブリッド型と呼ばれています。

同じXOD阻害薬でも、結合様式は微妙に違うみたいですね。

だから何?って感じで、服薬指導とかにもちろん使えるわけじゃないけど、薬剤師なので知っておいて損はないと思います(^_^*)

2)投与回数の違い

これが1番の違いかも知れないですね。以下のように、投与回数が違います。

  • フェブリクは1日1回
  • ウリアデックは1日2回

なぜ違うのか?

ウリアデックの方が半減期が短いから!?

普通は半減期だと思いますね。

長く血中にとどまる薬ほど1日の投与回数が減るのが一般的です。逆に短い薬は投与回数が増えます。比較すると確かにウリアデックの方が半減期が短いですね。

フェブリク ウリアデック
半減期
(h)
6.2±0.9
※10mg単回投与
4.97±1.79
※20mg単回投与

でも、そんなに大きな差はありません。

なぜ1日2回なのか調べてみると、ウリアデックの審議結果報告書に記載がありました。理由は下記です。

1日2回の方が尿酸値低下率が低かった

臨床試験において①1日80mg分1と②80mg分2のグループにわけて7日間投与すると、血清尿酸値低下率は②の方が低く日内変動も少ないという結果でした。

有効性が高い投与方法が承認されたわけですね。

2回投与にすると、1日を通して安定した血中濃度が維持できます。尿酸値の変動が少なくして投与中の痛風関節炎を予防する効果も期待できるそうです。

2回飲むよりも1回の方が服薬コンプライアンスは良いので、個々のケースで使い分ける形になりますね。

3)適応症の違い

フェブリクはがん化学療法にともなう高尿酸血症にも適応があります。

  • フェブリク…痛風,高尿酸血症、がん化学療法に伴う高尿酸血症
  • ウリアデック…痛風,高尿酸血症

抗がん剤投与中はTLSに注意!

TLSとは腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome:TLS )のことです。

がん化学療法中には急速な腫瘍細胞の崩壊が起こります。血中に核酸やカリウム、リン、タンパク質などが大量に放出されて、高尿酸血症、高カリウム血症、高リン血症、腎障害から多臓器不全を引き起こす病態です。

とくに、がん化学療法中の高尿酸血症では尿の酸性化によって尿管結石が発症しやすく、場合によっては急性腎不全から死亡に至るリスクもあります。

予防には血清尿酸値の管理が重要!

TLSの発症予防薬は下記です。(※TLS中リスクの場合や高リスクでラスブリカーゼが使用できない場合)

  • アロプリノール(保険適応外)
  • フェブリク(保険適応あり)

参考文献)TLS診療ガイダンス、重篤副作用疾患別対応マニュアル(腫瘍崩壊症候群)

※ラスブリカーゼは遺伝子組み換えの尿酸オキシダーゼ、尿酸をアラントインへ代謝する酵素製剤です。

フェブリクは初回から60mgの高用量を使用します。少量から段階的に増量していく痛風や高尿酸血症における使い方と異なる点です。

以前はアロプリノールが汎用されていましたが、最近では保険適応が追加になり、腎機能障害の方でも使いやすいフェブリクの処方が増えています。

ウリアデックには適応がありません。フェブリクとの違いになります。

4)重度腎機能障害患者:投与量の違い

フェブリクとウリアデックは軽症から中等症までの腎機能障害患者には通常量投与できます。

どちらも、尿中の未変化体排泄率が数%と低く、代謝物に活性がないので、腎機能に応じた投与量の調節は必要ないからです。

一方で、重度腎機能障害患者への対応がやや異なります。下記です。

GFRまたはCCr(mL/min) フェブリク ウリアデック
30-59 腎機能正常者と同じ 腎機能正常者と同じ
15-29
<15 10mgから開始。尿酸値を見ながら適宜増量、AUC増大のため20mgを超える場合は慎重に観察
HD、PD

参考文献)薬剤性腎障害診療ガイドライン2016

フェブリクは軽症から中等症の腎機能障害患者を対象にした試験で、腎機能正常者に比べてAUCがそれぞれ53%、68%増加しました。

一方で、ウリアデックの方では、軽症から中等症の腎機能障害患者と正常者でAUCの差は認められないという結果でした。

AUCの増大にともなう副作用発現リスクに配慮して、特に重度の腎機能障害患者では対応がやや異なる点は押さえておきましょう。

5)有効性の違い

アロプリノールを対象とした比較試験を確認しますね。

フェブリク vs アロプリノール

フェブリクの方が優れていることが示されています。

投与開始8週後の血清尿酸値低下率を比べると、結果は以下のとおりでした。

  • 対象者…痛風を含む高尿酸血症患者244名
  • フェブリク40mg(10mgから開始)vs アロプリノール200mg(100mgから開始)、8週間投与
  • 主要評価項目…投与開始8週後の血清尿酸値低下率
  • 結果…-41.5% vs -35.2%

副次評価項目である血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率もフェブリクの方が優れていました。

  • フェブリク40mg/日群…82.0%
  • アロプリノール200mg/日群…70.0%

ウリアデック vs アロプリノール

有効性は非劣性でした。結果は以下のとおりです。

  • 対象者…痛風を含む高尿酸血症患者206名
  • ウリアデック120mg(開始は40mg)、アロプリノール200mg(開始100mg)、16週投与
  • 主要評価項目…投与開始終了時の血清尿酸値低下率
  • 結果…-36.3% vs -34.3%

投与終了時の血清尿酸値6.0mg/dL以下の達成率も同等でした。

  • ウリアデック…72.4%
  • アロプリノール…73.3%

国内臨床試験のデータからは、アロプリノールに比べて、フェブリクは優越性、ウリアデックは非劣性という結果の違いがあります。

どちらが強いのかは、直接比較した臨床試験が現時点ではありませんので、今後の研究に注目が集まるところです。

6)心血管イベントのリスク

フェブリクは総死亡、心血管死のリスクが高い!?

以前に話題になりました。

海外の臨床試験において、フェブキソスタットは心血管イベントのリスクが指摘されています。

主要評価項目である複合心血管イベントの発現率はアロプリノール群と差がなかったものの、副次評価項目の総死亡と心血管死においてフェブキソスタット群の方が有意に高い結果でした。

  • 全死亡
    …フェブキソスタット群7.8% vs アロプリノール群6.4%
    【ハザード比1.22(1.01-1.47)】
  • 心血管死
    フェブキソスタット群4.3% vs アロプリノール群3.2%
    【ハザード比1.34(1.03-1.73)】

参考文献)CARES試験、N Engl J Med. 2018 Mar 29;378(13):1200-1210. 

CARES試験の結果をうけて、以下のように注意喚起がされています。

▼重要な基本的注意
心血管疾患を有する痛風患者を対象とした海外臨床試験において、アロプリノール群に比較してフェブキソスタット群で心血管死の発現割合が高かったとの報告がある。本剤を投与する場合には心血管疾患の増悪や新たな発現に注意すること

フェブリク錠、添付文書

ウリアデックの方は?

現時点で心血管イベントに関するエビデンスが十分ではないので、はっきりしたことがわかりません。海外では未承認の薬剤です。

ウリアデックはフェブリクのように重要な基本的注意に記載がありません。その他の注意の項目に、CARES試験についての概要が記載がされているだけです。

海外で実施された心血管疾患を有する痛風患者を対象としたフェブキソスタットとアロプリノールの二重盲検非劣性試験において、主要評価項目(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、不安定狭心症に対する緊急血行再建術の複合エンドポイント)についてはアロプリノール群に対しフェブキソスタット群で非劣性が示されたものの、副次評価項目のうち心血管死の発現割合はフェブキソスタット群及びアロプリノール群でそれぞれ4.3%(134/3098例)、3.2%(100/3092例)でありフェブキソスタット群で高かった(ハザード比[95%信頼区間]: 1.34[1.03, 1.73])。

まとめ

フェブリクとウリアデックの違い、ポイントは以下のとおりです。

  • 作用機序の違い…XODへの結合様式が異なる
  • 投与回数の違い…1日1回または1日2回
  • 適応症の違い…フェブリクはがん化学療法に伴う高尿酸血症にも適応あり
  • 重度腎機能障害患者への投与量…フェブリクはAUC増大の可能性あり、慎重に
  • 有効性の違い…アロプリノールと比較、フェブリク(優越性)、ウリアデック(非劣性)
  • 心血管イベントのリスク…フェブリクはアロプリノールに比べて総死亡、心血管死↑、ウリアデックはエビデンス不十分

今回は尿酸生成阻害薬のフェブリクとウリアデックの違いについて解説しました。日常業務に活用していただけたらうれしいです♪

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