今回のテーマはキャップバックス筋注シリンジ!成人における肺炎球菌感染症を予防するためのワクチンです。21種類の血清型の肺炎球菌莢膜多糖体にキャリアタンパクを結合させています。どのような特徴があるのか?従来の肺炎球菌ワクチンとの比較を加えなから、キャップバックス筋注シリンジの特徴をまとめたので解説します。
肺炎球菌ワクチンの種類
| キャップバックス筋注シリンジ | プレベナー20水性懸濁注 | バクニュバンス水性懸濁注シリンジ | ニューモバックスNPシリンジ | |
|---|---|---|---|---|
| 販売 | 2025年10月 | 2024年 8月 | 2023年 4月 | 2020年 12月 |
| 略号 | PCV21 | PCV20 | PCV15 | PPSV23 |
| 分類 | 結合型ワクチン | 結合型ワクチン | 結合型ワクチン | 多糖体ワクチン |
| 価数 | 21価 | 20価 | 15価 | 23価 |
| 小児 | 定期接種 | 定期接種 | 任意接種 | |
| 成人 | 任意接種 | 任意接種 | 任意接種 | 定期接種又は任意接種 |

肺炎球菌用ワクチンは全部で4種類あります。キャップバックスは成人用に開発されたワクチンです。小児の定期接種は、プレベナー13(製造中止)に代わり、プレベナー20を選択します(バクニュバンスを使用するケースもあり)。一方で、高齢者の定期接種はニューモバックスですね。
キャップバックスの分類
| 肺炎球菌結合型ワクチン | 肺炎球菌多糖体ワクチン | |
|---|---|---|
| 略号 | PCV:Pneumococcal Conjugate Vaccine | PPSV:Pneumococcal Polysaccharide Vaccine |
| 製品名 | PSV20:プレベナー20水性懸濁注 PCV15:バクニュバンス水性懸濁注シリンジ PCV21:キャップバックス筋注シリンジ | PPSV23:ニューモバックスNPシリンジ |
| 抗原 | 莢膜多糖体+ジフテリアタンパク | 莢膜多糖体 |
| 特徴 | ・T細胞依存性メカニズム IgG型形質細胞、メモリーB細胞の分化(免疫反応が強い、効果が続く) | ・T細胞非依存性メカニズム IgM型形質細胞の分化(免疫反応が弱い、効果が短い) |
肺炎球菌結合型ワクチンの作用機序


結合型ワクチンと莢膜多糖体ワクチンの違い





肺炎球菌ワクチンは大きく2つに分類されます。キャップバックスは肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)です。プレベナーやバクニュバンスと同じですね。PCVは肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV)よりも、免疫誘導が強く、1回の投与で長期間にわたり効果が持続します。
キャップバックス、血清型の種類
| キャップバックス筋注シリンジ | プレベナー20水性懸濁注 | バクニュバンス水性懸濁注シリンジ | ニューモバックスNPシリンジ | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 略号 | PCV21 | PCV20 | PCV15 | PPSV23 | |
| 分類 | 結合型ワクチン | 結合型ワクチン | 結合型ワクチン | 多糖体ワクチン | |
| 価数 | 21価 | 20価 | 15価 | 23価 | |
| 成人IPD 原因の血清型カバー率 | 80.3% | 55.6% | 40.0% | 56.6% | |
| 成人IPD 原因の血清型 上位5種 | 3 | IPD分離割合 第1位 | IPD分離割合 第1位 | IPD分離割合 第1位 | IPD分離割合 第1位 |
| 19A | IPD分離割合 第2位 | IPD分離割合 第2位 | IPD分離割合 第2位 | IPD分離割合 第2位 | |
| 35B | IPD分離割合 第3位 | ||||
| 23A | IPD分離割合 第4位 | ||||
| 15A | IPD分離割合 第5位 | ||||
\ 肺炎球菌ワクチンの対応血清型一覧 /





キャップバックスは小児のPCV13導入後における成人の疫学をもとに開発された製剤です。成人IPDの原因となる血清型のカバー率が80%を超え、分離頻度が上位5種の血清型を含んでいます。現時点でもっとも有用なワクチンという理解ですね。
キャップバックスの位置付け





キャップバックスの対象は「高齢者(65歳以上)」と「ハイリスクの成人(18歳以上65歳未満)」です。①PPSV23未接種者または②接種者(1年以上経過)に対して任意接種で選択することが推奨されています。現時点では、PCV20と同様の位置付けですね。
2026年4月1日からは、プレベナー20水性懸濁注(PCV20)がニューモバックスNPシリンジ(PPSV23)に代わって定期接種になる予定です。第74回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会で了承されました。
まとめ
今回はキャップバックス筋注シリンジの特徴について、従来のワクチンと比較しながら解説しました。小児へのPVC導入後における成人の疫学に基づいて開発されたワクチンで、最適化された血清型により高い有効性が期待できます。記事を書きながら、現時点で任意接種ではあるものの、優先的に選択される機会が多くなると感じました!

