スキルアップ

薬剤師も説明力が必要!日常業務で使えるテクニックを解説!

自分の意見や考え方を、相手にわかりやすく伝える。

・説明力は、ビジネスにおいて、なくてはならないスキルのひとつ。薬剤師も服薬指導や疑義照会など、日常的に説明する機会があります。

スッキリとわかりやすく説明できてるのか?

今回のテーマは「説明力」薬剤師にも不可欠な説明力!身につける方法を解説します。特に、新人、若手薬剤師の方必見です。

説明力を鍛えるためにはどうすれば?

結論は、以下の3つです。

  1. 結論は先に、理由で補強する!
  2. 概要を示してから、具体的に説明する!
  3. あれもこれも言わない、ポイントを絞って伝える!

順に理由を解説します。

結論は先に、理由で補強する!

結論は最初に伝えた方がいい。理由は簡単!わかりやすいからです。

例えば、好きな気持ちを相手に伝えるとき

告白の方法は様々あると思いますが、典型的なのは最初に「あなたのことが好きです」と伝えるパターン。

それから、優しいとこに惹かれてとか、一緒にいると楽しいとか、落ち着くとか、好きになった理由を伝えます。

たぶんあっていますよね ^_^

もし、間違ってたらすいません m(._.)m

最初に結論(好きだという気持ち)を伝えて、後から根拠(なぜ好きになったのか)を示す。告白された方もわかりやすいですね。

疑義照会も同じで、最初に結論を持ってくるべき

たとえば、CKD(慢性腎臓病)がベースにあるAさん。帯状疱疹で処方された、抗ヘルペス薬バルトレックスの投与量が多かった場合を考えてみます。

まずは結論から入り、あとから理由を持ってきますね。

結論)

  • Aさんの投与量の目安は、1日2000mgになります。

理由・根拠)

  • 代謝物アシクロビルは腎排泄率が約85%と高く、腎機能に応じた投与量の調節が必要です。
  • 過量投与は意識障害を招くおそれがあります。
  • AさんはeGFR40くらいです。

提案)

  • 2000mgに減量することは可能でしょうか?

文章を並べてみるとこんな感じです。
導入部分や前置きなど会話に必要な部分は省きました。

疑義(問題点)は、投与量オーバー。一番伝えたいのは、適切な投与量です。なぜ、減量が必要なのか、理由があとに続きます。

結論と理由の順番を逆にするとどうなる?

結論と、理由を入れ替えてみましょう。

理由・根拠)

  • 代謝物アシクロビルは腎排泄率が約85%と高く、腎機能に応じて投与量の調節が必要です。
  • 過量投与は意識障害を招くおそれがあります。
  • AさんはeGFR40くらいです。

結論)

  • そのため、投与量の目安は1日2000mgになります。

提案)

  • 減量することは可能でしょうか?

これでもわかる。結論まできちんと聞けば、言いたいことがわかってもらえる。結論と理由を入れ替えても、それなりに伝わります。

でも、疑義照会は時間的に余裕がないことが多い!?

時間に制約がある。医師の診察、診療の合間に問題を整理して的確に用件を伝えないといけない。

正直いって、最後まで、聞いてもらえる保証なんてありません。

根拠や理由から入ると

  • 手短に、話してくれる?
  • 結局何が言いたいの?
  • 要点は?

と軌道修正を迫られることもあります。気持ちが焦って、頭の中が真っ白になって、グダグダになって、時間切れになることだってある。

疑義照会は時間との勝負!
スピーディにこなしたい仕事、実体験からそう思います。

告白と違って、2人だけの空間で、相手の言うことに神経を研ぎ澄ましてる状況ではないのです。

だからこそ、結論を先に持ってくることが大切!

やはり、結論から入るほうが確実です。

「投与量の目安は◯mgです」

と言えれば、忙しい状況であっても、それだけで「用量が多いんだな、じゃあ減らしておいて」となるケースも普通にあります。

最後まで聞いてもらえなくても、結論が伝われば大丈夫です。時間切れになる心配もありません。

それに、途中で結論が変わる恐れがない

最後に言おうとしていたことが、話していくうちに変わってしまう。時々、経験します。はじめに考えていた結論にたどり着かないケースです。本当に言いたいことは、これじゃないのに……。

理由や根拠が多いほど、軌道が変わりやすい。結論から入ればそのリスクを防ぐことができます。

結論を先に、理由で補強!疑義照会だけでなく、日常業務で使えるテクニックです。

概要を示してから、具体的に説明する!

理由はシンプル!これもわかりやすいから。

いきなり具体的な話をされると、内容が掴みにくい

たとえば、あなたの自慢できることは何ですか?と面接で質問されたとします。

返答)

  • 私は体力に自信があります。
  • 幼い頃から、近くにある神社の階段を毎日欠かさず、3往復するのが日課でした。
  • 今では、1000段、駆け足で登っても息が切れることがありません。

“駆け足で1000段”なんて考えただけでも息切れしそうーー。面接官もびっくりの発言です。

この返答はわかりやすい。

まずは、体力に自信があるとざっくり言う。

そしたら、相手はどうして体力があるの?って疑問に思う。次に、幼い頃から、神社の階段を毎日欠かさず3往復するのが日課という話をする。それなら、どのくらい体力がついたの?って面接官は気になります。

最後に、1000段というくだり。

だんだんと話が具体化され、相手の思考をクリアにしていく

一方で、いきなり、神社の階段を1000段、駆け上がっても息切れしない、と言うとどうでしょう?すぐにはピンときませんよね。

よく考えたら、その凄さに気づくけど、急に飛び出した話を瞬時に理解することは、簡単ではありません。

わかりやすい説明は、まず大枠→順に具体的に!

服薬指導では特に意識して欲しいです。

まずは全体像から説明します。

服薬説明の例)

  • 新しい薬が2種類追加されました。
  • どちらも血圧のくすりです。
  • 順番に説明しますね。

  • 一つ目は、◯◯という血圧の薬です。明日から飲んでいただきます。
  • 過剰な心臓の働きを抑えて、血圧を下げる作用があります。

  • 次に副作用について説明します。
  • 起立性低血圧やめまい、ふらつきなどがあるので、気をつけて下さいね。

  • 2つ目は、△△という薬です。今日の夕方から始まります。
  • これは、直接血管を広げる作用があります。
  • 副作用は、めまい、ふらつきに加えて、頭痛、むくみなどを生じる恐れがあるので気をつけましょう。

………というふうに、全体像から、少しずつ具体的に説明を進めていく。わかりやすいですね。

わかってもらえて、始めて意味がある!

服薬指導の目的は?大きく以下の2つです。

  • 服薬の重要性を理解して、飲み忘れなく指示通りに服用できる
  • 患者さんが、注意すべき副作用を知って、早期発見ができる

服薬指導は、有効で安全な薬物療法をサポートするために行うもの。

患者さんにわかってもらうことが第一です。

わかりにくい下手くそな説明では、やる意味がありません。ざっくり全体像を示し、続けて具体的な説明をおこなう。患者さんにわかりやすく説明できるスキルが求められています。

あれもこれも言わない、ポイントを絞って伝える!

意識すればグンと説明力が上がります。

一度に、理解できることには限界がある

1度に、いろんなことを言われても、記憶に残りません。相当、頭のいい人じゃないと厳しいです。

それなのに、日常会話や会議、カンファレンスなどで思ったことを、次から次に発言する人がいます。

そういう人は、話が長い。経験上、そう思います。ある話をしてると、急に脱線して、また話を戻して、今度も脱線する……の繰り返し。

結局、何が言いたかったのか?

後から思い出せない……。いろんなことを話していたのに、一体何を伝えたかったのか、わからない。

たくさん話せば、たくさんわかってもらえる、は間違った認識です

順番に1個ずつ丁寧に説明しても、全部覚えきれない【服薬指導】

患者さんに伝えたいことは、いっぱいある。

  • どんな副作用に注意が必要なのか?
  • どうして、薬を飲まなければならないのか?
  • 副作用を予防する、または軽減する方法
  • 薬の保管方法……など。

クスリの種類ごとに、全部理解して欲しいです。

ですが、添付文書にいろんな注意書きがされていて、多種類のくすりを飲んでいる人では、注意事項が際限なく出てきます。

正直言ってキリがありません。

クスリの数が増えるほど、注意すべき内容が多い薬ほど、服薬指導の難易度が上がります。高齢化が進む中で、全部、覚えてもらうのは無理です。

本当に伝えたいことは何か?3つにポイントを絞る!

ポイントを絞って説明した方が良い。

記憶に残るように、あれもこれも言わずに、必要最低限のことを伝える。数は3つがちょうど良いと思います。少なすぎず、多すぎずです。

3つと決めておくと、本当に伝えるべきことが何かを一生懸命に検討する。その過程で、必要なものとそうでないものが区別されていきます。

どうしても4つ以上になる場合には、メリハリをつける。

強調するのは3つ。残りは補足にとどめて説明する。

例文)
ポイントは3つあります。

  • 1つ目は……出血症状に気をつける……皮下出血、鼻血、血便など
  • 2つ目は……低血糖症状に対する対処法…寒気やふるえ、冷や汗など
  • 3つ目は……脱水症状の予防について
  • (補足)それと、食事との飲み合わせにも注意してくださいね。
    といった具合に。

3つあると宣言して説明すると、患者さんの記憶に残りやすいし、後から思い出しやすい。

たしかに、ポイントは3つだったよね。あれとこれと、もう一つは……といった感じに。

できれば、薬の情報提供書やお薬手帳などにポイントを書くのも良いかと思います。赤丸で囲むとか線を引くとか、注意する点を書き込むとかですね。

患者さんにあった方法をセレクトするのがベターです。あれも、これも言わずに、ポイントを絞って説明する。服薬指導の前に、立ち止まって意識したいですね。

説明力は仕事に良い変化を与えてくれる

説明力をマスターしたら、いいことがあります。

大きく以下の3つです。

  1. 疑義照会の成功率が上がる!?
  2. 服薬指導のスキルが磨かれる
  3. 医師や看護師、患者さんからも頼りにされる

疑義照会の成功率が上がる!?

説明力が身につけば、疑義照会が得意になります。

自分の意見や考え方を医師に上手く伝えられるようになり、処方変更率にもいい影響が期待できるはずです。

疑義照会が苦手だと感じるのは

  • 医師を納得させられるだろうか?
  • 言いたいことを上手く伝えられるか?

という不安がよぎるのが理由の一つです。

説明力は、そんな不安をスッキリ解消してくれます

説明力 ≠ 医師を納得させることができる

もちろん、説明力だけで疑義照会がうまくいくわけではありません。

いくらわかりやすく伝えることができても、内容が貧弱であれば、疑義照会は失敗に終わります

中身が備わっていないとダメで、問題点に気づき、解決するための最適な代替案を提示できることが大前提です。

優れた提案力≠医師を納得させることができる

同じように、どんなに優れた提案であっても、伝え方が悪いと上手くいきません。

これは、もったいない。せっかくの名案がボツになってしまうし、患者さんのお役にも立てません。

疑義照会をうまくやるコツ=説明力+優れた提案力

説明力と優れた提案力の両輪。これが、疑義照会の成功率をあげるために必要なことです。

優れた提案力は、すぐに、ものにすることはむずかしい。だけど、説明力の方は意識をすれば簡単にできるようになります。

疑義照会の成功率が上がれば、薬剤師の仕事が患者さんに届きやすくなる。説明力は疑義照会を得意にしてくれる!薬剤師がまず習得すべきスキルだといえます。

服薬指導のスキルが磨かれる

説明力を高めれば、服薬指導が得意になる!

わかりやすくポイントを絞った説明は、聞いていて非常にわかりやすいもの。

服薬アドヒアランスの向上が期待できます。

薬の種類が多いときに説明力が威力を発揮!

くすりの種類が増えるごと服薬説明がむずかしくなる。

1〜3種類の飲んでる時は、簡単。意識せずとも自然とポイントが明確です。説明が下手であっても、聞いてる方も、それなりに理解ができます。

4〜6種類では、意識しないと、ポイントがややぼやける。ただ、若年者や理解力に長けた人なら、ある程度わかってもらえます。

7種類以上になると、普通に説明するだけでは、要点がはっきりしない。大事なことが伝わらず、かえって混乱させてしまう場合も。特にご高齢の方には薬剤師の声、思いが届きません。

薬の種類が増えるごとに、説明力のニーズが高くなる。説明力が身につけば、多種類の薬でもポイントを絞ってわかりやすく伝えることができるようになります。

短時間で効率的に説明できる

時間をかければ、内容が伝わるとは限らない。

説明が下手だと、余計に時間がかかる。
患者さんに聞き返され、その質問に答える、また、聞き返され、説明を加える……。この繰り返しで時間をロスしてしまう。

何が言いたいのかを明確に、わかやすく伝える説明力は、服薬指導にかかる時間を短縮できます。忙しい業務の中で、メリットが大きいです。

説明力を鍛えたら、服薬指導が得意になる!若い頃から習得したいスキルですね。

医師や看護師、患者さんからも頼りにされる

説明力が身につけば、周囲から頼りにされます。

話が長い人、説明下手な人には質問しない

話が長い人には、あまり近づきたくない。

多忙な日常業務の中なら、なおさらです。要点だけを聞きたいのに、他の話に付き合うのは御免ーー。

一方で、説明が簡潔で、わかりやすく、要点だけを教えてくれる人は人気がある。人だかりができるわけじゃないけど、困った時にはその人に教えを乞う。

説明力がある人は、周囲から頼りにされやすい。医師や、看護師、栄養士さん、もちろん患者さんからも一目置かれる存在になれます。

モチベーションが上がり、仕事にやりがいがもてる

頼りにされると、間違いなく仕事が増えます。

仕事の質問、相談が増えて、ルーチン業務以外の仕事が舞い込んでくる。

日常業務は大変に……… (>_<)

だけど、薬物療法や治療方針、食事療法などについて医師や看護師、栄養士さんと考えたり、患者さんが抱える問題点を解決したりと、臨床知識や考え方が深められる。

成功体験が積み重なると、モチベーションが上がるし、仕事にやりがいが持てるようになります。

説明力が身につけば、他職種から頼りにされるようになって、薬剤師としての成長を加速してくれます。

まとめ:説明力を高めて薬剤師もスキルアップ

最後にまとめておきますね。

薬剤師のスキルアップに不可欠な説明力!
ポイントは以下のとおりです。

  1. 結論は先に、理由で補強する!
    →1番伝えたいことを最初に持ってくる。理由や根拠は後付けでオッケー。
  2. 概要を示してから、具体的に説明する!
    →聞き手がイメージしやすいように、アウトラインを説明した後に、より詳しい内容に入る。いきなり、詳細を語るのはNG。
  3. あれもこれも言わない、ポイントを絞って伝える!
    →たくさん説明しても記憶に残るのはほんの一部だけ。要点はどれか?絞り込むトレーニングが必要です!

★ ★ ★ ★ ★
今回は、薬剤師にも不可欠な説明力!身につける方法について解説しました。

日常業務に活用していただけると、うれしいです♪

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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